第17章 函館
ひどい言われようだ。
「私、目の前にいるよ?そうゆうのは、いないところでこっそり話すんじゃないの?」
思わず抗議すると、加州がため息をついた。
加州「はぁ、わかってて、あえて釘指してるの。」
薬研は加州の言葉に頷くと、五虎退をしっかり見据えて真剣に話す。
薬研「そうゆうことだ。だから五虎退には念のため、大将が無茶しないか監視を、、、じゃなかった。大将の護衛を任せたい。短刀なら大将の懐を守る意味、わかるな。」
五虎退「はい。」
短刀は守り刀として常に将と共にあり、有事の際に主の身を一番近くで守って将を生かし、決断の時に最後に使われる可能性さえある。
五虎退は、短刀として一番重要とも言える任を任された事を理解し気を引き締めて返事をした。
乱「主さん、それでいい?」
「うん、皆が納得してるなら。ただし、これから刀装を作るから全員めいっぱい刀装を装備してから出陣する事!」
加州「了解。」
薬研「あぁ」
乱「は~い。」
こうして函館出陣メンバーが決まり、各自が出陣の準備を始めた。
七葉は、本丸に残る五虎退と作ってきた玉から刀装さんをとり出す。
手のひらにちょこんと乗った刀装さんを1つしか装備できない乱と薬研に特上、加州に上並渡して出陣を見送る。
加州の話ではマップ事態も小さくすぐ戻る、との事だったがやっぱり心配だ。
五虎退「あるじ様、心配ですか?」
隣に並んで見送っていた五虎退がそれを察し、そっと七葉の手を握る。
「うん。、、でも、前回より辛くないかな。」
今回は加州にも皆が付いていて、自分にも五虎退がいてくれる。
やっぱり仲間がいるのは心強い。
だからきっと大丈夫。
七葉は握られた手を軽く握り返した。
五虎退「あるじ様、、その、、そろそろ中に入りませんか?」
少しすると五虎退が話しかけてくる。
「え?」
ずっと玄関にいるつもりだったから驚くと、五虎退が続ける。
五虎退「その、、薬研兄さんと加州さんに言われたんです。あるじ様がずっと玄関に居続けようとしたら引っ張ってでも部屋に連れていく様にって、、すみません。」
あぁ、あの二人なら言いそうだ。
恐縮している五虎退に苦笑いして部屋に戻る。