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【刀剣乱舞】ふたつの本丸

第15章 IHと炊飯器の正体


結局、何を作るか内緒にしたまま買い物をして来たので、料理をしている間に見られないように加州をお風呂へと追いやる。
シャワーなど簡単な使い方を教えて戻って来ると、七葉は早速夕飯の支度に取り掛かった。

お米を研いで炊飯器に入れ、スイッチを入れる。
ジャガイモと人参を乱切りにし、玉ねぎをくし切りにして電子レンジでチンする。
ボールにひき肉、塩コショウ、玉子、パン粉、牛乳、コーヒーゼリー、マヨを入れ、よくこねる。
みじん切りの玉ねぎを入れて練って小判形にして窪みをつけ、フライパンに入れ蓋をして焼きながら、お鍋二つでお肉を炒めて水を入れる。
そこに、止まったレンジからチンした物を半分ずつ入れ、空いたレンジでブロッコリーをチン。
ハンバーグをひっくり返し、片方の鍋にだしとしらたきもう片方にカレールーを一欠片入れたところで、加州がお風呂から出てきた。

加州「 いい匂い、何作ってるの?」

タオルを腰に巻いただけで髪を拭きながら出てきた加州に、七葉は目のやり場に困る。

「それより、先に着替えてきて!」

加州「は~い。」

加州が立ち去ったのを確認して、七葉は焼けたハンバーグをお皿にとり出し、チンしたブロッコリーとミニトマトを盛り付ける。
空になったフライパンにケチャップとソース、赤ワインを入れて煮詰めハンバーグにかけお湯を沸かす。
カップにコーンスープの元を入れ、お湯を注いでご飯をよそおうとしていたら加州が戻っ来た。

加州「主、それは?」

加州は、小さな箱のような物に入った炊きたてのご飯を見て首をかしげる。

「あっ、これが炊飯器。」

加州「あ、前に主が言ってた。」

「そう、お米を入れて電源を押すとほっといても50分、約半刻でご飯がたける優れものだよ。」

加州「へ~!てことはもしかして、あのお鍋がコトコトいってるのに全然火が見あたらないのが、あいえいち?」

「そうだよ。家はオール電化だからみんな電気で動いてるんだ。」

七葉が答えると、加州が脱力する。

加州「主が、こんのすけと俺を笑った理由がやっとわかった。」

加州はIHを見つめながら、続ける。

加州「主の時代は便利だね。すごい速い乗り物はあるし、階段は動く。水道をひねると沸かさなくてもお湯が出て、釜戸についてなくてもお米もたける。主、俺達の時代に来るの辛くない?」
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