第15章 IHと炊飯器の正体
「もうっ、加州のせいで遅くなっちゃた。」
加州「はいはい。」
照れ隠しでそう言うと、わかっているのかいないのか、加州は特に気に止めてない様子で返事をする。
「~~~」
不満を声なく訴えると、困った顔で微笑まれて頭を撫でられた。
加州「それで、主なに作るの?」
食品売場に向かいながら、献立を聞かれる。
「ん~特に食べたい物がある訳じゃないから、とりあえず特売の物見てから決めようかなぁ~。加州は?何食べたい?」
何も決まっていなかったから、せっかくだから加州の食べたい物を聞く。
加州「え、それって俺の好きな物作ってくれるって事?」
「うん。」
驚いた加州に返事をして、さっきのお礼!と心の中で呟く。
加州「じゃあ、主の得意料理がいい。」
「、、何でもいいの?」
嬉しそうに言う加州に、好みは無いのか気になって聞くと即答で返事をされた。
加州「いいよ、主が作る物なら。」
「そっか、じゃあ楽しみにしててね。」
そんな話をしながら歩いていると、ネイルサロンの前を通りかかる。
加州「何コレ~!!」
加州は、キラキラした爪に興味津々のようだった。
「これはジェルネイルだよ。マニキュアもやってくれるけどジェルの方が持ちがいいから、最近流行ってるんだよね。」
説明している間も加州は、ジーッとサンプルを眺めている。
「加州、爪紅してるくらいだしこうゆうの好きだよね?やってあげようか!」
らしくて可愛いなぁと思いながら言うと、ビックリした顔をこちらを振り向く。
加州「できるの!?」
「あっ、うん。私のお店ネイルチップのオーダーとかデザインも教えてるからやり方も教えてあげるよ。」
加州「やりたいッ!!」
即答した加州の顔は、今までで一番輝いていた気がした。
「じゃあ、夜ね!」
そんな事を話ながら食品売場までやって来た。
2人でカートを押しながら、夕食の材料をお買い物。
何だろう、この感じ。
これじゃあまるで、、、
加州「恋人みたい、、」
「!!!」
タイミングよく呟かれた加州の言葉、思わず振り向く。
加州「何?」
「何でもない。」
まさかの同意見にビックリしつつお買い物を済ませ、車に戻ると辺りは大分暗くなっていた。