第13章 女装デート
加州「もう、さっさ行くよ。」
加州は、七葉の手を引いて歩き出した。
「あっ待ってよ加州、鍵!鍵!それに徒歩じゃいけないってー!」
七葉は目的地もわからないのに歩いて行こうとする加州を慌ててひき止め、家の鍵を閉めて車へと乗り込んだ。
ショッピングモールまでの道中は、予想通り賑やかなものとなった。
加州「うわ、何!これ速ッ!」
さっきまでの機嫌の悪さはどこへやら、助手席から窓の外を眺めハイスピードで流れていく外の景色に興奮している加州。
「突然未来に来たら、まぁそうなるよね。」
過去に行く分には、歴史の勉強などで前知識がある分世界観に混乱はしないが未来は未知の世界だ。
七葉があれこれ質問攻めにあっているうちに、あっとい間にショッピングモールに着いた。
「まずは、洋服からだよね。」
男性向けのショップには入りづらいから、とりあえずユニクロでいいかなぁ。
なんて考えながら加州を見ると吹き抜けを見上げながら固まっていた。
加州「主、何!?ココ!?」
「ん?いっぱいお店のあるところ♪」
七葉はそう言って加州の手を引いて歩き出す。
「ほら、現代人でも迷子になるんだから一緒に来ないと大変だよ!」
加州「は~い。」
流石にそれ納得したのか、加州も大人しく着いてきてくれた。
刀剣乱舞からおこしの加州清光様、お連れ様がお待ちです。という迷子アナウンスを想像したら面白い。
が、現実にこれをやらかすわけにはいかないのだ。
2階にあるユニクロに着くまでに、途中エスカレーターという動く階段との戦いを切り抜け、ようやくお店に入って服を探す。
「加州はオシャレさんだし、好みの服を2組くらい選んでね。」
せっかく連れてきたし、こだわりがある人は自分で選んだ方が良いだろう。
七葉が加州に丸投げして、待ってる間に自分の服でもみようかなぁと思ったら予想外の返事が帰ってきた。
加州「え~俺、どうせなら主に選んでほしいんだけど!」
「え?良いの?私の好みで?」
てっきりオシャレには並々ならぬこだわりがあると思っていたので思わず聞き返す。
加州「うん。デコっちゃって!」
嬉しそうに返事をされ、こうして七葉が加州の服を選ぶ事になった。