第11章 限界
布団を敷いて横になる。
なんだか加州と気まずい雰囲気で別れたからなのか、七葉は布団に入っても気になってなかなか寝付く事が出来ない。
布団の中で考え事をしていると不意に、昼間立てなくなった時の事を思い出し、どんどん不安になってくる。
昨日とは違い1人きりの静かな部屋は、まるで知らない世界で1人ぼっちになってしまったかのように発覚させ、七葉は苦しくなった。
「、、、加州、まだ起きてるかな?」
気づかないふりをして、一緒にいてもらえばよかった。
そんなことを考えているうちに、加州に会いたくなってしまう。
一度だけ、一度だけ声をかけて返事がなかったら、おとなしく自分の部屋に戻ろう。
七葉はそう心に決めて部屋を出た。
沖田部屋の前で小さく口を開く。
「加州、、、」
ほんのわずかな、吐息のような声しかでなかった。
これでは、起きていても聞こえはしないだろう。
七葉は自分の意気地無さに苦笑いして立ち去ろうとすると中から声がした。
加州「主?」
自分は何をしているんだろう。
そう思うともう声が出ない。
やっぱり気のせいだと思ってもらおうと、そのまま黙っていると、不意に扉が開いて加州と目があってしまった。
加州「何で来ちゃったの?」
冷たい言葉に、やっぱり迷惑だったんだと思うと無意識に涙が流れる。
加州「え?ちょっ!主!?」
いきなり泣かれて動揺しながらも、加州は七葉を部屋の中に引き入れた。
加州「、、、、どうしたの?」
加州は暫くしても黙ったまま泣いている七葉に、優しく声をかける。
「何でもない、、」
やっと絞り出した言葉は、直ぐに否定されてしまった。
加州「何でもなかったら、俺の部屋来ないでしょ?」
「、、、」
加州「主、辛かったら言いなよ。」
加州は七葉を引き寄せるとそのまま抱き締めて甘やかすように背中を撫でる。
そんなに優しくされたら、勘違いしてしまいそうだ。
「加州が優しいから、どうしたらいいかわからない。」
やっと言えた言葉は文句のようになってしまった。
加州「だったら、甘やかしてあげるからどうしたのか言ってよ。」
加州の言葉に七葉はようやく不安な気持ちを吐き出した。