第11章 限界
「あのね、1人でいたら、足が動かなくなった時の事思い出して、、そうしたら、急に怖くなって、、」
加州「そっか」
七葉は、不安をぬぐうように抱き締めてくれている加州の体に腕を回しキュッっ抱きつく。
「ねぇ、加州。もし目が覚めて、向こうで体が動かなくなってたらどうしよう。薬は持ってるけど向こうに持つて行けなかったら、、」
不安がる七葉に、加州は原因も治し方も伝えることができず、唇を噛み締める。
加州「主、、、薬研も言ってただろ?審神者に成り立てでゲームじゃない方で顕現したから、一時的に神力が低下したんじゃなかって。」
「でも、、、」
加州は、また黙ってしまった七葉が持っていた薬を奪うと、そのまま自分の口に放り込む。
それから粉薬が完全に溶けて消えてしまうくらい、深く長く七葉に口付けた。
「加州ぅ、、、」
息苦しさに涙を流すと加州が瞼に唇を寄せる。
加州「大丈夫だよ。主の事は俺達が守るから。」
その言葉が最後まで耳に届く前に、七葉は意識を手放した。
加州は力尽きた主を自分の布団に寝かせると、自分もその横に寝転がり七葉の体をそっと抱き締める。
起きたら主はどんな顔をするだろう。
加州はそんなことを考えながら、隣で目を閉じて眠るのであった。