第11章 限界
薬研「おやすみ大将、また明日な。」
乱「主さん、おやすみ。」
五虎退「あるじ様、、おやすみなさい。」
「うん、おやすみ皆。」
七葉の部屋に五虎退の布団を取りに来た3人は、布団を受けとると粟田口部屋のへと帰って行った。
今夜はあの3人で川の字かなぁ~などと想像すると微笑ましい。
七葉がニコニコしていると、後ろから加州に声をかけられる。
加州「主、俺達もそろそろ寝るよ?」
「うん。」
返事をしてから気が付いたが、粟田口の子達が帰った今、部屋では加州と2人っきりになってしまった。
そして、何食わぬ顔でここに布団を敷こうとしている加州に突っ込む。
「って、、加州も沖田部屋戻ってよ。」
加州「え?何で?俺はまだ安定来てないから1人なんだけど?」
「いやいやいや、安定いつ来るかわかんないし!てゆうか、だから部屋向かいでしょ?それに、加州は短刀じゃないんだから!」
七葉は、もしや安定が来るまでいるつもりだったのか!?と驚きつつもツッコミを入れる。
しかし加州は、その言葉にムッとしながら答えた。
加州「主は、短刀となら2人っきりでも平気なんだ。」
薬研の言葉の後だからか、寧ろ短刀の方が有利な気がして加州はイライラする。
なんとなくトゲのある言い方に、七葉は違和感を感じつつも返事をした。
「うん、だって小さい子は性別とかあんまり関係ないし、、」
現実でも、低学年くらいの男の子は普通に女子トイレや女湯にいるから寧ろ意識する方がおかしいだろう。
その言葉に、加州は呆れていった。
加州「薬研と乱でも?」
「、、、いや、あの二人は、、無い。」
押し倒されたり、口移しで薬を飲まされ、短刀=無害では無いのを思いだした七葉は顔を赤くする。
その表情が、自分に向けられたものでは無いと思うと加州は胸が苦しくなる。
薬研が口付けだ唇を、もう一度ふさいで自分の唇で上書きしてしまいたい。
一瞬そのような衝動に刈られたが、あの時のように主を怯えさせる事だけはしたくないと、ぐっと我慢して言葉を続ける。
加州「やっぱり、部屋、戻るよ。おやすみ主。」
加州はそう言うと、布団を持って沖田部屋に入って行ってしまった。