第9章 薬の効果?
薬研の言葉に五虎退は袖で涙をぬぐう。
薬研「よし、それでこそ兄弟だ!」
薬研が誉めて撫でてやると、五虎退は嬉しそうに笑った。
薬研「そうだ五虎退!大将はこれから苦くて不味~い薬を飲まなきゃならない。」
「え、、」
薬研「そんな大将の為に、何か甘い物でも探してきてやったらどうだ?」
五虎退「苦い、、お薬。」
五虎退は自分が飲むのを想像したのかまた泣きそうな顔をする。
五虎退「で、でも、、あるじ様を1人には、、」
五虎退は近侍として側にいたい気持ちと、甘い物で喜ばせたい気持ちで複雑な表情をする。
薬研「その間、俺っちがついててやるから気にすんな。大将は注射を嫌がるようなお子様だからな、ちゃ~んと薬を飲むか見張らねぇと。」
薬研の言葉に五虎退は安心した様子で立ち上がる。
五虎退「あるじ様、、ぼく、、行ってきます。」
元気に出ていった五虎退の姿にホッとした。
「さすがお兄ちゃんだね。」
あっという間に五虎退を元気付けた薬研を誉める。
薬研「まぁな、家は兄弟が多いし面倒見るのは慣れてる。」
「そっか。」
薬研「それより大将、ほら水。さっさと薬飲んじゃえよ。」
「うん。」
七葉は薬研から水を受けとると、紙に包まれた粉薬をとり出しそこで止まった。
「、、、ところで薬研さん?」
薬研「ん?どうした大将、あらたまって。」
「この薬は、本当に苦くて不味いのかなって。」
ジッと薬を見つめて言うと薬研のあっけらかんとした返事がかえってきた。
薬研「さぁな?効能だけ考えて即席で作ったんだ、味まではわからん。」
そんな無責任なぁ、、と思っていると薬研に突っ込まれる。
薬研「なんだ大将。まさか本当に薬も飲めねぇのか?」
「違うよ!ただ、粉薬はいつも上手く飲めなくて苦い思いするからもういっそ本当に五虎退が帰ってきたら飲もうかと、、、」
慌てて言い返すと薬研は仕方ねぇな。と七葉からコップと薬を取り上げる。
良かった、口直しが来るまで飲まなくてすむ!と喜んだのもつかの間、その後の言葉は耳を疑うものだった。
薬研「飲めねぇなら、飲ませてやる。」
薬研は直ぐに水と薬を口にふくむと、驚いている軽く開いた唇に口づけ、口の中の液体を少しずつ流し込む。
七葉が全部薬を飲み込んだのを確認すると、チュッと音をたてて唇が離れた。