第6章 突然の帰還
七葉は全てを気のせいだと思うことにして改めてゲームをプレイし始めた。
「まずは、このままだとまだ心配だからとりあえず後2振りは鍛刀して~」
と鍛刀画面から2つの刀を作る。
「それから刀装も、もう少し、、」
とノルマ分の3つを作ると続きは後で!と七葉は仕事に戻るのであった。
帰宅して、家事をして、お風呂に入り、布団に入る。
何となく気になり、寝間着は今朝の浴衣にしてみた。
いつもと変わらない夜を過ごしながら、そういえば昼間鍛刀しておいた子達は誰だったんだろう?と七葉は何気なくアプリをタップする。
しかし今度はアプリが起動することなく、スマートフォンが光りあまりの眩しさに目をつぶる。
次に目を開いた時には、すでにまたしてもゲームの中の本丸だった。
「え?」
隣にはすやすやと眠る五虎退の姿がある。
反対も確認しようと振り向くと、今度は真横に加州の顔があった。
「うわっ」
あまりの近さに思わず声をあげると、その声で加州が目を覚ます。
加州「ん、、、ん、、おはよぅ主。」
加州はあくびをしながら挨拶をするとまだ眠そうに瞼を擦る。
「お、、おはよう加州。ここは何処?」
加州「は?」
七葉の突拍子もない質問に、加州はさっきまでの眠気が一気にふっとんだようだった。
加州「ここは本丸の主の部屋だけど、、主、大丈夫?」
加州が心配そうに七葉の顔をのぞきこむと
ただでさえ近かった距離がさらに縮まる。
慌て顔を背けようとしたがその前にチュッと口付けをされた。
「な、ちょっ、、」
加州「目、覚めた?」
いきなりの出来事に何も言えず、口をパクパクさせる。
そんな七葉に加州は愛しそうに微笑むのであった。