第6章 突然の帰還
眩しくて目が覚めると、いつもの自分の部屋だった。
つけっぱなしの電気に、放り出されたスマートフォン。
どうやら昨日は、遊んでいてそのまま寝てしまったらしい。
「あぁ、ゲームしながら寝オチしたから、あんなすごい夢みたんだなぁ~」
独り言を言いながら、時間を確認しようとスマートフォンに手を伸ばす。
しかしその手がスマホに触れる前に七葉は違和感に気づき手を引っ込めた。
「え?アレ?」
振袖がある。
慌て飛び起き確認すると七葉は、夢の中で加州に渡された旅館の浴衣のような物を着ていた。
「えええええぇ~~!!」
七葉は思わず叫んでしまう。
ドドドドどういうことだ?
あれはゲームで!
ゲームをしすぎた私の妄想の産物で!
と思いながらも実際服は浴衣だし、、
でもゲームの中じゃないし、、
と混乱しながらも改めて時間を確認すると、そろそろ支度をしなければ仕事がやばい。
七葉仕方なく普通の服に着替えて急いで仕事へと向かったのであった。
朝一の予約を片付け、一息ついたところでスマホを取り出す。
今朝は取り乱しつも日常を優先してしまったが、結局のところ私のとうらぶはどうなってしまったのだろうか?
七葉はまずあり得ないと思いながらも、念のため人気のないところに隠れてアプリを起動する。
画面を見ると、いつもと同じようにオープニングが流れて、いつもと同じようにゲームがスタートする。
てっきりダウンロードしたてで未プレイだと思っていたゲームは、なんの説明も表示されないまま当たり前のように近侍部屋が表示され、そこに居たのは紛れもなく加州清光だった。
加州「なに?俺撫でて楽しいの?」
指でつつくといつものセリフを話すがそれ以外の返事はない。
そりゃそうだよね、きっとねぼけて私が加州を選択したんだ。
私なら加州清光を初期刀に選ぶだろうし!
と思いながらもどうしても気になり、念のため部隊編成を確認すると、そこには第一部隊リーダー加州清光の下に五虎退がいた。
いやいやいや、これもきっとチュートリアルの流れで鍛刀したんだよ!
きっとそう!
よくよく考えれば今朝の浴衣だって好みの感じだったし、昔買ってすっかり忘れてタンスの肥やしになってたやつを、薄着で寝ちゃて夜中に無意識に寒くてその辺から引っ張り出して着たのかもしれない。