第5章 初めての鍛刀
「あぁ~美味しかった。」
食事を終えてて自室に戻り一息つく。
片付けは、例によって加州がお詫びにやってくれる事となった。
なんだか悪いなぁ~と思いつつもきっと気がすまないだろうからと、お言葉に甘えてのんびりする。
すると、加州と一緒にお膳を持っていった五虎退が内番服に着替えてやってきた。
「あれ?加州は?」
五虎退「すぐ、来ると思います。もう終わるから、先に着替えてあるじ様の所に行くように言われたので。」
「そっか。」
戻って来たらどうしようかなぁ~と考えていると、五虎退に話しかけらる。
五虎退「あの、、あるじ様、、」
「ん?なぁに?」
言いずらそうにもじもじしている五虎退に、幼い子にするようにわざと明るく聞いてあげると小さな声で返事がかえってきた。
五虎退「その、、、今夜は、一緒に寝てもいいですか?、、1人じゃ、怖くて、、」
泣きそうな五虎退に、そういえば粟田口の子達の部屋は沖田組や主の部屋からかなり離れていて、まだほとんどの人気のない広い本丸では確かに怖い。
「うん。いいよ!まだ、兄弟達来ないし寂しいよね。」
よしよしと頭を撫でてあげると、五虎退は嬉しそうに笑う。
五虎「えへへ、あるじ様は優しいから好きです。」
天使の笑顔を向けられキュン死しそうだ。
「私も五虎ちゃん大好きだよ~♪」
そう、言って笑いかけると五虎退はまた嬉そうな顔をして笑った。
五虎退「それじゃ、、その、布団、とってきます。」
「うん、行ってらっしゃい~!」
五虎退と見送ると入れ違いに加州が入ってくる。
加州「楽しいそうだね。」
「あっ加州、お帰り!片付けありがとね。」
加州にお礼を言うと不満そうなんだ声で返事をされた。
加州「それは良いけどさぁ~何?浮気?やっぱり先に行かせたりするんじゃなかったなぁ~。」
「もう、またそんなこと言って。」
拗ねたような言い方に、これじゃお詫びの意味が無くなっちゃうんじゃない?と思ったが何だかそんな加州が可愛くみえる。
「はいはい、しょうがないなぁ~」
七葉は加州に近づくとさっきまで五虎退にしていたように加州の頭を撫でた。
加州「だって俺、まだ主に好きって言われてないのに五虎退にはあんなに簡単に大好きって、、」
「え、そうだっけ?」
さっきの聞いてたんだ、、と思いつつ頭をひねる。