第4章 初陣
不安な気持ちのまま玄関へとやって来た。
今回は初陣のため、こんのすけも出陣に付き添うらしい。
私もついていきたい!と言ったら主は時間を飛ぶことができないから、、と言われてしまった。
加州「じゃあ、いってくるね。」
「うん。気をつけて。」
加州「よーし、出陣だぁ!」
自分を鼓舞するような言葉で気合いを入れて出陣する加州。
七葉はそんな2人をついていきたい気持ちを押さえながら送り出す。
1人きりになった本丸は静かで、なんだか時が止まったようだった。
あれからどれくらいの時間がたったんだろう。
結局何もする気が起きず七葉は玄関に座って2人の帰りを待っていた。
するとこちらにゆっくりと近づいてくる足音が聞こえる。
「帰ってきた?」
その音に違和感があり半信半疑だったが、とりあえず戻ってきたなら2人を出迎えようと、置いてあったつっかけをはいて玄関の戸を開けると血塗れの加州が倒れこんできた。
「加州!ねぇ加州!」
抱き止めて呼び掛けても返事はない。
「加州!加州ってば!」
それでも必死で呼び掛けると意識を取り戻した加州がうっすらと瞳を開く。
しかし、その瞳はすぐにそらされてしまいかすれた声が聞こえてきた。
加州「、、こんなにボロボロじゃ、、愛されっこ無いよなぁ、、」
それっきり無言になってしまった加州に、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょっと思いつつも頭が混乱する。
「どうしよう、私、、どうしたら、、、」
こんのすけ「主様!主様しっかりして下さい。」
「こん、、ちゃ、ん、、」
こんのすけ「この様な時のために、主様はいらっしゃるのです。主様が動揺してどうします。」
こんのすけの言葉に我にかえる。
「そうだよね。私しかいないんだから、私が加州を助けなきゃ!」
パニックになりかけていた頭を落ち着かせ覚悟を決めた。
「こんちゃん!私どうしたらいい?」
こんのすけ「主様!そのいきです!まずは手入れ部屋へ運んで下さい。手入れの仕方は着いたら順に説明致します。」
「う、、うん。わかった。」
加州の腕を自分の肩に回して、引きずりながらなんとか手入れ部屋に連れて行く。
手入れ部屋は玄関付近に設置されていて、すぐに着く事ができた。