第4章 初陣
小広間について少しすると風呂敷をしょったこんのすけと、お茶を3つのせたお盆を持った加州が広間にやって来た。
ちゃぶ台を出して座りの昼食をとる。
こんのすけの持ってきたいなり寿司は、お揚げが甘めの味付けでとても美味しかった。
「これ美味しいね!もしかしてこれもこんのすけが作ったの?」
こんのすけ「いえいえ、これは政府からの給金でごさいます。」
「給金?」
こんのすけ「はい!私政府の命を受けさまざまな本丸を飛び回っておりますが、その報酬は油あげでして♪」
嬉しいそうに語るこんのすけにいったいなんて言ったらいいのやら、、
「ごめんね、お腹空いたって大事なお給料食べちゃって、、」
こんのすけ「そんな、気にしないで下さい。たくさんありますし、またすぐもらえますから!」
どうやら油あげは日払いらしい。
加州「でも普通に小判でもらった方が良くない?他の物も買えるよ?」
お茶をすすりながらもっともな突っ込みをする加州に、こんのすけは不思議そうな顔をする。
こんのすけ「はて?油揚げと油揚げ料理以外に、他に買う物とは?」
加州「、、、」
「、、、」
加州「無いんだ。」
どうやらこんのすけの世界は油揚げが中心のようだ。
食事を終えまったりお茶を飲みながら、この後の予定を確認しようとこんのすけに話しかける。
「ねぇこんちゃん、この後はどうするの?」
屋内はほぼ見終わったし、今度はお庭か畑かなぁ~と外の探検を想像していたが、かえってきたこんのすけの返事は予想外の物だった。
こんのすけ「はい、本当は外の案内を!と思っていましたが、遡行軍が暴れているとの情報があります。出陣して沈静化を計りましょう。」
「へ?」
穏やかな日常を過ごしていて、忘れかけていたがそう言えば時間遡行軍との戦いのための話だった事を思い出す。
そっか、当然戦闘もあるんだ。
こんのすけ「加州さん、行きますよ。」
加州「、、、」
こんのすけの呼び掛けに、加州は無言のままスッと立ち上がった。
その姿に何だか嫌な予感がして、思わず加州の服の裾を掴む。
「ねぇ、加州、、」
不安で何も言えないでいると、加州に困った顔で微笑まれ頭をポンポンとされる。
加州「大丈夫、すぐ戻るから。」
「、、、うん。」
これ以上引き止めるわけにもいかず、おとなしく頷く。