第34章 宇都宮出陣と審神者制度
薬研「で、妥協案がそれなのか?」
玄関に向かうと、先に出陣準備を終えて来ていた薬研が、2人に挟まれ、左右から手を繋がれた状態の七葉を見て、呆れながら言う。
乱「だ、だって、主さんと離れたくないんだもん。」
そう言って、乱れは左の腕に抱き付く。
すると、加州も繋いでいた右手を引いて言う。
加州「俺だって、乱に独り占めなんてさせたくないし。」
「あはははははは、、、」
それぞれの反応にかわいた笑いを返していると、刀装を抱えた愛染と五虎退がやって来た。
五虎退「主さま、仲良しさん、です。」
ニコニコと無邪気な反応をする五虎退対し、 愛染は何かを察したのか、七葉に憐れみの視線を送りながら言う。
愛染「何つーか、その、頑張れよ?」
「うん。ありがと、国俊。」
そんな話をしているうちに、鯰尾と鳴狐もやって来た。
鯰尾「あっ、皆もう揃ってますね。」
お付きのキツネ「そのようです。鳴狐、忘れ物はありませんか?」
本体「、、大丈夫。」
愛染「それじゃ主さん、揃ったし行ってくる。」
愛染がそう言うと、それまでお喋りをしていた和やかな空気が一瞬きりっと引き締まった。
「うん、皆気を付けて。行ってらっしゃい!」
そう言って七葉は全員を送り出した後も、しばらく門の先を見つめていると、加州が首をかしげながら言う。
加州「やっぱり、心配?」
「うん。新しい場所だし、特に初陣の2人が、ね。」
七葉が素直に答えると、今度は乱がこちらを覗きこむ。
乱「大丈夫だよ、主さん。あぁ見えて、鳴狐の伯父さんも、鯰尾兄も強いんだから!」
乱は明るい声で言うと、七葉に向かってウィンクをして見せた。
「そう、だよね。他の皆もついてるんだし。」
七葉が、自分に言い聞かすように言うと、加州も同意する。
加州「そうだよ、ずっと心配してでも疲れちゃうでしょ?」
2人慰められ、これ以上心配をかけては、誰のための休みかわからなくなってしまう。
七葉はそう思って気持ちを切り替え、2人に笑顔を向けた。
「そうだね。それじゃ、せっかくだし何か楽しいことでもしよう。2人は何かしたいことある?」
七葉が言うと、乱が嬉しそうに返事をする。
乱「ならボクは、主さんと乱れ、、、」
「乱れる以外で!」