第33章 幸せの魔法
小広間に着くと、外から声がかけられる。
鯰尾「見てください、主さん!スゴい太い胡瓜が!」
その声に縁側に出て見ると、胡瓜やトマトの入った野菜カゴを持った薬研と、通常の3倍はある巨大な胡瓜を握っている鯰尾がいた。
「うわ、それ収穫し忘れだね、、、」
鯰尾「そうみたいですね。これは主さんにあげるんで、何かに使って下さい。」
そう言って、鯰尾は七葉に胡瓜を差し出してくる。
しかし、受け取ろうとすると、薬研が鯰尾の手を引いた。
薬研「はい、はい、わかったから。それも、厨に置いてこような。」
鯰尾「え~!せっかくだから、主さんにあげようと思ったのに、、、」
不満げに言う鯰尾に、薬研は呆れぎみにため息をつく。
薬研「調理するなら、どのみち厨に持ってくだろ。」
「そうだね、種をぬいて酢の物か漬物に、、、」
薬研の言葉に、真剣に料理を考えていると、鯰尾がニコニコしながら言う。
鯰尾「いやいや、他にも使い道があるかもしれないじゃないですか?」
薬研「なーまーずーおー〆」
鯰尾「はーい、置いてきますぅ。」
その発言に薬研が怖い顔で睨むと、鯰尾は逃げるよう走って行った。
薬研「すまんな、大将。」
「ん?」
薬研「いや、わかってないならいい。これも置いてくる。」
「うん。」
薬研はそう言うと、厨の方に歩いて行ってしまった。
「なんだったんだろ?」
不思議に思っていると、今度は玄関から声が聞こえてきた。
乱「主さ~ん、動物さん達のお世話終わったよ~!」
「うん!2人ともお疲れ様!鳴狐、どうだった?」
七葉が鳴狐に声をかけると、お付きのキツネが神妙な声で答える。
お付きのキツネ「ぅうむ、、、、わたくし、他の獣とは相性がよろしくないもので、、、」
「あっ、そっか、そうだよね;ごめん。」
そう言えば、普通じゃない(しゃべる)からすっかり忘れていたが、五虎退の虎達と同じくキツネ付きの鳴狐は動物当番は避けるべきだった。
七葉が謝ると、今度は鳴狐が答える。
本体「、、、大丈夫。」
その言葉に、お付きのキツネも続ける。
お付きのキツネ「はい!わたくしめは何もしておりませぬが、鳴狐は頑張りましたぞ!」
「そっか!それじゃ2人も、手を洗って来たら休憩にしようね。」
乱「はーい!」
本体「、、うん。」