第33章 幸せの魔法
愛染「で、何が聞きたいんだ?」
愛染は近侍部屋に入るなり、適当な場所に座る。
七葉も愛染と近くに腰を下し、文机に置いてあった地図を手に取った。
「えっとね、部隊編成はわかってるから今回の出陣で通った道順が知りたいかな。後は、敵の強さや数、資材があったならその種類も知りたい。」
愛染「今回通れたのは、この道だったぜ。前と違う道だし、これで会津の地図は埋ったんじゃないか?」
愛染は、地図を指差しながら確認していく。
「そうだね。どちらの道からでも、最終的にはボスマスにたどり着くみたいだし。」
愛染「だな!それからここ、この場所の近くに木炭があったな。一度に持ち帰れる量は限られるけどさ、そうそう無くならそうだった。」
「了解!じゃあ、とりあえず木炭確保の目処はたったね。」
七葉はそう言って文机に向かうと、今聞いた内容を略図や文章にまとめて書き記していく。
愛染は、そんな七葉の様子を後ろから不思議そうな顔をして覗きこんで言う。
愛染「なぁ、主さん。」
「ん?」
愛染「それって必要か?あんまり仕事増やしすぎると、疲れちまうだろ?」
心配そうに言う愛染に、七葉は困ったように微笑んで言う。
「そうだね。でも、前はスマホで確認もできたけど、こっちに持ち込めない以上、分かった情報はやっぱりきちんと記録しておくべきかなって。もしもの時に必要になるかもだし、備えあれば憂いなしって言うでしょ?」
愛染「まぁな。でもさ、主さん、無理するなよ?」
愛染は納得しつつも、まだどこか心配そうに言う。
「ありがとう、やっぱり国俊は優しいね。でも、大丈夫だよ。私はこういうことの苦にならないし、嫌いじゃないからね。」
七葉がそう言うと、愛染はすごく驚いて言う。
愛染「そうなのか!?主さんて、変わってるな。家の保護者と、大違いだぜ。 」
「保護者?」
愛染「そ。明石国行っつーんだけどさ、あいつ、働くのが嫌いで。なんつーか、いつもゴロゴロしてるんだよなぁ。」
愛染は、何か思い出しているのか、深いため息をついている。
「そうなんだ。もしかしたら、それで国俊がしっかり者になったのかもね。」
笑って七葉言うと、愛染も笑って返す。
愛染「だな。反面教師ってやつ。」
そんな話をしていると、廊下から声がした。