第32章 荷物
「あっ、これは現実から色々持って来たんだ。薬研に珈琲も入ってるよ♭」
七葉がそう言うと、薬研は嬉しそう返事をする。
薬研「ほぉ、そいつは楽しみだな!」
薬研の反応に、お付きのキツネが不思議そうに首をかしげる。
お付きのキツネ「珈琲、、とは?」
薬研「あぁ、前に現実世界にいった時に飲ませてもらった、まぁ真っ黒い茶ぁみたいなもんだな。」
お付きのキツネ「ふむ、ふむ、黒いお茶と。」
「ただし、メチャクチャ苦いけどね。」
お付きのキツネ「なんと!それは体に悪いのでは?」
薬研が答えると、お付きのキツネは興味深そうに頷くき、ついで七葉の言葉に大袈裟に驚く。
薬研「いや、良薬口に苦しって言うだろ?」
お付きのキツネ「なるほど!薬でしたか!だから薬研殿に!」
「いや、薬じゃ、、、」
間違った状態で納得しているお付きのキツネに説明しようとしたが途中で薬研が話をわる。
薬研「そんなことより、それ、かなり重いだろ?どこに運ぶんだ?」
薬研は赤くなっている七葉の手を見てそう言うと、さりげなく右手を差し出した。
「え?いや、自分で持てるから大丈夫だよ?」
七葉は断るが、薬研はそのまま荷物を掴む。
薬研「やっぱり、俺っちが持つぜ。」
そう言うと、戸惑っている七葉をよそに軽々と荷物を持ち上げた。
「ごめん、薬研。」
七葉が謝ると、薬研は不思議そうな顔をする。
薬研「ん?何で謝るんだ?」
「だって、迷惑かけちゃうし。」
申し訳なく答えると、薬研は困ったように頬笑んでポンと頭に手を置く。
薬研「俺っちがしたくてしてるんだ、気にすんな。」
その言葉にお付きのキツネと鳴狐が続ける。
お付きのキツネ「そうですよ主殿!こういう時は詫びではなく礼を言って任せれば良いのです!鳴狐も主殿のお役にたちたいと申しておりました。」
本体「そうだよ。」
その言葉に鳴狐に目をやると、さっきまで背けていた顔をこちらに向け、凛とした瞳で見つめていた。
お付きのキツネ「鳴狐は、主殿が気に入ったようです。勿論わたくしめもお手伝い致します。」
「うん、ありがとう。」
お礼を言うとお付きのキツネがまた大袈裟に嘆いて見せる。
お付きのキツネ「あぁ、とは言ってもわたくしめは所詮ただのキツネ。」