第32章 荷物
目が覚めると、やっぱり自分の部屋にいた。
寝る前に色々あったため、すぐに睡魔に襲われ深い眠りに落ちていたようだ。
七葉は辺りを見回すが、寝る前に一緒にいた愛染の姿はない。
「やっぱり、触れていなければこっちに来ちゃうことは無いんだ。」
七葉はそう呟くと、起き上がってシャワーを浴び、支度をして朝食にパンを持ち仕事に出かけた。
加州、薬研と連続でこちらを訪れていたため、こちらに誰もいないのは少し寂しいが、今日は1日仕事がつまっていたためある意味1人で良かったのかもしれない。
仕事を終え帰宅した七葉は、夕食を作るため台所で調理をしていた。
ふと視線を食品棚に向けると、そこにはカレールーと珈琲豆が置かれている。
「あっ、そう言えば結局珈琲入れてあげてないや。ミルとフィルターと豆、後カレールーも持って行けば向こうで作れるよね?」
七葉はそう思って、それらをリュックに詰める。
夕食と入浴を済ませ、ついでに、リュックにちょとしたお菓子や充電式のランプ、音楽プレイヤーにぬいぐるみ等を詰めたらなんだから山登に行くような大荷物になってしまった。
これ、しょって寝れるのか?
七葉はパンパンになったリュックを見つめつつ苦笑いすると、そのままそれをしょって部屋に向かう。
とりあえず背中にしょって横になるが、寝返りがしにくとても寝付けそうにない。
仕方なく今度はリュックを前に抱える。
お!これなら抱き枕みたいで寝やすそう!
そうなことを思いながらうとうとしつつ、スマホを充電器に繋ぎアプリのアイコンをたっぷりしたところで七葉の意識は暗転した。