第30章 治療
夕食という名の団子を食べ終えた後、片付けや出陣記録の整理があるため、鯰尾と鳴狐の本丸案内は乱と五虎退に任せ、そのまま解散することになった。
薬研「じゃ、後は頼むな。」
五虎退「は、はい!」
乱「任せて!バッチリしっかり案内しちゃうんだから!」
4人が出ていった後、残った全員で厨の後片付けをし、七葉が翌朝ように小豆を水に冷やしていると薬研がやって来た。
薬研「そろそろ終わるか?」
「うん。どうかした?」
神妙な様子の薬研に七葉がたずねると、薬研は少し迷ったような素振りを見せたものの、そのまま話を続ける。
薬研「いや、さっきはなんともなかったみてぇだが、一応手入れ部屋で診察しておくべきかと思ってな。」
「あっ、、でも、、」
薬研の言葉に、七葉は棚に食器をかたしている加州をちらりと見る。
その視線に加州は気づいたが、直ぐに視線をそらされてしまった。
薬研「、、、、」
薬研はそれに気づいたが、あえて何も言わずに話を続ける。
薬研「今は何とも無くても、万が一って事もある。嫌か?」
戸惑っていると薬研に真剣に問われて、七葉は素直に手入れ部屋に行くことにした。
そんな話をしている脇を、愛染が通り抜け加州の元に行く。
どうやら加州と愛染は、温泉に行くようだった。
厨を出て手入れ部屋に行く途中、少し暗い気持ちで歩いていると薬研が話しかけてくる。
薬研「加州のことが気になるか?」
「うん。なんだか目、そらされちゃったから、、、」
何でもお見通しな薬研に沈んだ空気のまま返事をすると、薬研はなんでもないことだとでも言うかのようにさらっと答える。
薬研「どうせこの後、今日の出陣記録をつけるのに話聞きに行かなきゃなんねぇんだろ?近侍は俺っちだが隊長じゃなかったからな。」
「そうなんだけど。何て声をかけたらいいのか、、、」
薬研「そんなの、普通で良いだろ?」
「でも、、、」
また口ごもってしまった七葉に、薬研は加州も加州だが大将も大将だ。と、心の中で苦笑しつつわざとため息をついてみせた。
薬研「はぁ、、、わかった。加州には後で近侍部屋に行くよう俺っちが話をしといてやるから、そんな悩むな。」
薬研はそう言うと、励ますように頭をポンポンとする。
「ありがと、薬研。」
薬研「あぁ。」