第29章 増えていく粟田口
「お団子作りたい!」
薬研「は?」
薬研は、またしても予想外の回答に思わず声をもらした。
「だって特にやることは無いけど、このままここで待っても考えこんじゃいそうだし。無心でお団子でも作ろうかと。」
七葉はそう言うと厨に向かって歩き出す。
薬研「あ、ちょっと待て、、、」
薬研はポカーンとしていたが、部屋を出ていく七葉を追い慌てて部屋をでる。
薬研「で、なんで団子なんだ?」
薬研は、がさごそしている七葉を後ろで、腕組みをしながら言う。
「ん~、ぶっちゃけ単純作業で気が紛れるならなんでも良いんだけどね。しいて言えば、さっき鍛冶屋さんが食べようとしたの見て出陣中の皆や刀を打ってくれてる鍛冶屋さんの回復も兼ねて仙人団子、、、は無理でもみたらし団子くらいなら作れるなって思って。白玉ぜんざいとかでもいいけど小豆冷やしてないからあんこは直ぐに作れないし。」
七葉はそう言うともち粉とか米粉無いかなぁ~と戸棚をあさる。
薬研「なるほどな。確かにあの様子じゃ鍛冶職人もきっと休まず作業してるだろうしな。」
「そうなの、だから疲れた時には甘いもの!だよね☆」
七葉はそう言うと、見つけた粉を持って作業台に移動する。
粉に水を混ぜていると、よってきた薬研が手元を除きながら聞く。
薬研「単純作業って事は、俺っちにも出来るか?」
「うん!基本丸めて茹でるだけだから♭」
七葉はそう言うと、耳たぶくらいの固さにひとまとめにした物をちぎり、お団子の大きさに丸めて見せた。
薬研「なら、にぎりめしとそう変わらねぇな。」
「いやいや、大きさは大分違うからね。」
薬研「ん?でかい方が、、」
「中に火が通らないから!」
投石おにぎりの次は、投石団子を作る気だったのかと驚きつつも2人でお団子を丸めていく。
1時間半後
薬研「さて、そろそろ行くか。」
「うん。」
薬研の言葉に、差し入れように取り分けた団子を2串皿にのせ、顕現部屋に向かう。
中に入ると、祭壇の刀掛けにはすでに新しい刀が飾られていた。
「先に、お団子渡して来るから待ってて。」
七葉はそう言うと、鍛刀部屋へと入る。
後片付けをしていた鍛冶職人に、お礼を言ってお団子を渡し、顕現部屋戻ると薬研が祭壇の前で刀を見つめていた。