第28章 会津
「みんな、続きはご飯を食べながらにしよう。埃を落として、手を洗ってきてね。」
加州「うん。」
薬研「あぁ。」
乱「は~い。」
愛染「おぅ!」
それぞれが返事をして通り過ぎていく中、五虎退は薬研に近づいて行く。
五虎退「薬研兄さん、、あの、、、」
薬研「ん?どうした?」
何か言いたそうな五虎退に、薬研は足を止める。
五虎退「その、、えぇと、、あの、、、ぼ、僕、、」
薬研「、、、、」
なかなか言い出せない五虎退に、薬研は黙ってその様子を見守っている。
五虎退「僕、、薬研、兄さんに、兄さんに稽古を付けて、欲しい、、です。」
やっと言えた五虎退に、薬研は真意を確かめるように問う。
薬研「どうしてだ?」
五虎退「その、、いっぱい、練習して、自信が、欲しい、、です。主さまが持ても、恥ずかしくない刀に、なるために。」
薬研は、自分を真っ直ぐに見つめて答えた五虎退に一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに優しい顔をして五虎退の頭をポンポンとする。
薬研「わかった、昼飯の後に付き合おう。」
五虎退「はい!」
五虎退は嬉しそうに返事をすると、パタパタとこちらに戻って来た。
五虎退「主さま。薬研兄さんが、手合わせ、してくれることになりました。」
「うん。それじゃ、内番記録は2人を書いておくね。」
五虎退「はい!」
嬉しそうに笑う五虎退と小広間に向かい、全員で昼食を済ませる。
午後の出陣については、それぞれが内番をこなしてから集合し、改めて決めることとなった。
自室で日誌や記録などの書類仕事を済ませ、麦茶を用意して小広間に置く。
自分の分をグラスにそそいで飲んでいると、手合わせを終えた薬研と五虎退がやって来た。
「2人ともお疲れ様。麦茶あるよ。」
そう言って七葉は、二人に麦茶をついで差し出す。
五虎退「あ、ありがとう、ございます。」
薬研「おっ、大将気が利くな。」
薬研はグラスを受けとると、それをグイッと一気に飲み干す。
反対に五虎退は、ほんの少しだけ口をつけた。
「調子はどう?」
五虎退「はい、、その、勉強に、なります。」
五虎退の恐縮した返事に、薬研は笑って答える。
薬研「兄弟は筋がいい、この分なら直ぐに上達するさ。」
「そっか。」
そんな話をしていると、他の内番をこなしていた3人の声が聞こえてくる。