第28章 会津
「五虎ちゃん、みんなが戻るまで何しようか?」
七葉が出来るだけ明るく聞くと、五虎退はその質問には答えずに口を開いた。
五虎退「主さまは、その、、怒ら、ないんですか?」
「え?何を?」
何か怒るような事あっただろうか?と不思議に思っていると、五虎退が戸惑いつつも話をぽつぽつと話を続けていく。
五虎退「僕は、、その、兄さん達、みたく、強く、なくて、、、。戦場でも、、死なないように、が精一杯で、、。本当は、、その、主さまが、持っても、、恥ずかしくない、刀になりたいのに、全然、だめだめで、、、」
うるうると瞳に涙をため訴える五虎退に、七葉は優しく頭を撫でる。
「一生懸命な子に、怒るようなところは何も無いよ。」
五虎退「で、、でも、、、」
そのまま抱き締めて、よしよしとしているがまだ悩んでいる様子でいる五虎退に七葉はふと、内番に手合わせがあったことを思い出した。
「そうだ内番!五虎ちゃんは自信がつくまで、手合わせの内番をしたらどうかな?」
五虎退「手合わせ、ですか?」
五虎退は戸惑いつつも返事をする。
「うん!いきなり戦場じゃなくて、しっかり練習したらもっと自信が持てるんじゃないかな?」
幸いここの子達は面倒見が良いから、お願いすれば手合わせに付き合ってくれるだろう。
五虎退「僕に、、その、、出来る、でしょうか?」
「うん、大丈夫だよ!やってみよう!」
小さくガッツポーズをして見せると、五虎退はにっこりして元気に返事をする。
五虎退「はい!僕、薬研兄さんが戻ったら、お願い、してみます!」
「そうしよう!」
薬研も気にしていたし、きっと付き合ってくれるだろう。
「じゃあ、それまで畑で何か収穫して、みんなが戻ったらお昼にできるようにしてようか。」
五虎退「はい!僕、カゴと、ハサミ、取ってきます。」
すっかり元気になった五虎退がパタパタと道具を取りに行く姿を見送っていると、戦闘服に着替えた愛染が広間の前を通りかかる。
愛染「なんだ、ずいぶん元気になったな。」
「うん!五虎ちゃんは真面目だからね。愛染、もし五虎ちゃんに手合わせや稽古を頼まれたら付き合ってあげて。」
愛染「ん?なんだかよくわからないけど、わかった!」
「ありがとう。」
愛染は話が掴めない様子だったがそれでもすぐに引き受けてくれる。