第3章 本丸内探検
こんのすけ「お二人ともどうなされました~?」
中々ついてこない二人に遠くでこんのすけの声が聞こえる。
「な、何でもないよぉ~」
動揺を隠しながら返事をしてその場を離れる。
声のする方へ行くと、ちょこんと座りふさふさの尻尾をふっているこんのすけが見えた。
~玄関~
こんのすけ「主様。こちらが我らが本丸の玄関でございます。」
「わぁ~広いねぇ~」
大きな二枚扉のガラス戸広い石張りの靴脱ぎ場、100足は入るだろう大容量の戸棚式靴箱の上には招き猫が置いてある。
正面には大きな屏風がありきれいな蒔絵が施されていた。
加州「ほんとだ!この柱とかすごい!」
いつの間にか後ろからやって来た加州が大きな柱に寄りかかりながら感心の声をあげる。
こんのすけ「さすが加州さん!それこの本丸で一番太くて立派な物なんですよ!玄関は本丸の顔!ここから皆さん出陣なり、遠征なりに行きますからね~。」
嬉しそうに話すこんのすけに癒される。
「そっかぁ~確かに隊が増えると四小隊で24人とかになるもんね~広くないと玄関渋滞するね。」
広さに納得しているとこんのすけの「ささ、次は厨へ参りますよ~。」との声が聞こえた。
~厨~
こんのすけ「こちらが本丸の胃袋を支える厨、簡単にいうと台所です。」
「なる程!土間スタイルなんだね!」
こんのすけ「はい。勝手口が裏の畑と薪置き場につながっていて動線もばっちりでございます。」
「確かに畑で収穫した野菜とか玄関回って持ってくるの嫌なんだよねぇ。特に根野菜は泥が落ちるからほんと困る。」
いいなぁ~これ自宅もこうしたい!と熱弁しているとこんのすけが首をかしげる。
こんのすけ「はて?もしや主様は畑仕事をなさるのですか?」
「うん、するよ?家庭菜園程度だけどネギやカボチャやさつま芋にジャガイモ、ミニトマトやしし唐なんかも育ててたかな!」
こんのすけ「さようでございますか!現代にはスーパーなるものがあり自分での生産はあまりしないと伺っていたので、これは心強い。」
確かにね、今どき女子は趣味に本格家庭菜園はしないね。
喜ぶこんのすけに複雑な気分になる。