第3章 本丸内探検
こんのすけ「ところで、お二人はもう本丸の中は見て回られたんですか?」
ひとしきり騒いだ後、きちんと座ったこんのすけが二人にたずねてくる。
「まだだよ。私さっき目覚めたばかりだからまだこの部屋からすら出てない。」
加州「俺も。初期刀待機部屋出て直ぐに主を連れて本丸に来たけど主の部屋にずっといたし自分の部屋と主の部屋しか見てないや。」
ずっといた?それって寝てる間ずっと?
寝顔を見られてたかと思うと途端にまた恥ずかしくなる。
加州「ん?どうしたの主?顔、赤いよ?」
「なッなんでもない!」
のぞきこんでこようとする加州を押し退けこんのすけへと向き直る。
こんのすけ「でしたら出遅れてはしまいましたが私こんのすけが僭越ながら本丸の案内をさせて頂いてもよろいしでしょうか?」
「もちろんだよ。よろしくね!こんちゃん!」
一生懸命仕事をしようとするこんのすけの健気さにキュンキュンしながら喜んで承諾すると隣から不満の声が聞こえて来た。
加州「え~、俺主と二人きりが良かった~。せっかく初期刀になっても全然二人きりになれないじゃん!」
さっきまでずっと二人きりでしたが?という突っ込みはさておき七葉はこんのすけを抱き抱えながら立ち上がる。
「さぁ~て、何処から行こうかこんちゃんw」
こんのすけ「あっ、主様。抱っこは嬉しいです!ですが私前を先導しますので下ろして下さいませ。」
「あっそっか!」
そっとこんのすけを下ろしてあげると尻尾をフリフリしながら前へ進んでいく。
こんのすけ「主様。まずは本丸の顔、玄関から参りましょう。」
「了解。加州行かないの?」
振り返って呼ぶと加州はものすごく残念感を引きずりながら立ち上がった。
加州「、、、行く。」
「もう、そんなにあからさまにショック受けなくてもいいのに。」
近づいて来た加州の手を握る。
「ほら、行こう!」
軽く引っ張るとその手は逆に加州に引っ張られすっぽりと加州の腕の中におさまった。
加州「だから無防備過ぎるって言ったよね。」
「へ?」
予想外の事に加州を見上げるとそのまま加州に口づけられる。
「んっ、、ん、、何、、で」
胸を押し唇が離れた瞬間こぼれた疑問の言葉。
加州「主が俺に意地悪だから。」
そう言った顔はスゴく苦しそうでそれ以上何も言えなかった。