第3章 罪悪感
触れられた箇所が熱い
嬉しくて頬が緩む。
『先生、手…おっきいね。』
私の言葉に先生は溜息を吐く。
『そりゃどうも。』
ガシガシと撫で付ける
先生の手に髪が乱されて
それでも嬉しくて仕方ない
先生に会えたそれだけで…。
『あ?お前首筋の絆創膏
剥がれかけてんじゃん。』
『えっ…、』
『あ、ほんとだ…莉瑠
新しい絆創膏貰いに行きなよ
一応この人保健の先生だし
仕事させないと怪しい大人だし』
友達の凄い言い分に
先生は怒り気味に食いかかるも
私の手首を掴んで連れてゆく。
『んじゃ、こいつ借りてくぞ。』
『アホの子ですが、
よろしくお願いします。』
私の反対も聞かずに友人は
頭を下げて見送ってくれた。
頭をあげて口パクで話す
" いってらっしゃい。 "
『……っ!』
私が先生と話がっていたのを
気付いてくれていたのだろうか…
首に触れれば確かに絆創膏は
剥がれかけていて付けても
粘着が弱いのかまた取れてくる。
傷口…見ないで欲しいから
絆創膏だけ受け取ろう…。
『せんせ…、』
『………放課後まで我慢だ。』
ぶわ…と顔が赤くなる。
期待しているのがバレた…
先生にも友人にも敵わない…。
バタバタと歩いていけば
誰にも会わずに保健室に辿り着く
ガラッ…バタンッ…と閉まり
先生と二人っきりの空間に
鳴り止まない鼓動が早くなる。
ベットに行けと言われて
奥の方のベットに向かえば
先生は戸棚から消毒液と
大きめの絆創膏を持ってきた。
カーテンをシャッ…と閉めて
見られないように治療中の
ような空間に先生は閉じ込めた。
『………っ、』
『期待した顔してんじゃねぇよ』
ぺり…と剥がされた絆創膏。
傷口を見た先生は固まった。
『はっ…?何だこれ…歯形?』
スッ…と先生の指が傷痕に触れ
考えこむように口を閉じる。
『ん…ぅ、』
ぴりっ…とした痛み
隠せなかった事への焦りに
冷や汗をかくも先生の顔が
首筋に近づいた。
ぺろ…
『ひ、ぁ…。』
熱い先生の舌が傷口に触れる。
ぬる…とした舌が
唾液をぬり込むように舐める。
『消毒…だろ?』
傷口を咥えるように口で包み
熱いねっとりとした舌で…