第3章 罪悪感
『だーれに付けられた…?』
『ん…ぅ…。』
問いかけられるも
また舐められて言葉が出ない。
兄さんだと…言える訳…ない。
『答えろよ。』
ふるふる…と首を振った。
びりびりした痛みが酷くなり
先生の白衣を握って懇願する
『やぁ…せんせ…痛ぃ…。』
『痛くしてんだよ。』
ぬる…と舐め上げる先生の舌
熱くて内側からも熱がのぼる。
『ひぃ…ぁ…ゃだ…っ』
思い出す…兄との営みも
快楽も熱も痛みも苦しみも全部…
『アイツ、か…?』
先生は傷痕から舌を離し
私を真っ直ぐに見つめて呟く。
射抜く視線は私の心を覗く。
『せん…せ…?』
『お前のその噛み痕、兄貴からか?』
ビクッ…と肩がはねた。
『………わっかりやす。』
私は噛み痕を隠そうと手で覆い
先生の唾液が手に触れた。
『あ…あの…ぇと。』
なんて言えばいいかわからなくて
慌てて先生の白衣を引き寄せて
言葉を詰まらせて視線を泳がせた。
『兄貴から何されてんだよ、お前』
頬をする…と撫で上げて
髪をかきあげて耳元に唇を寄せた。
吹きかけられる吐息に
背筋が震えて囁かれる言葉に
胸がドキドキと高鳴った。
『俺にもこんな事されちゃって…
とんだ淫乱な生徒だったんだな。
なぁ、そうだろ?』
くちゅ…と耳穴を舐められて
瞼を強く閉じて刺激に耐える。
『何されたいか…放課後までの
宿題にしといてやるよ。』
スッと離れてしまった先生に
涙目で見つめれば頭を撫でられた。
髪を乱されながらも
大きな手に揺らされてしまう。
体が熱くなってきたのに
ここで先生と離れるなんて…やだ…
『先生…離れ、ないで…。』
『俺が欲しいか?』
私の目を見つめながら
顔を近付けて両頬を包み込む。
『言え、』
『………っ。』
怖い口調の先生に眼鏡越しの
鋭い目つきが私から視線を外さない
『欲し…ぃ、です。』
『何を。』
『先生の…全部…。』
知らないものは知りたい…
きっとそれは先生が教えてくれる。
『泣いたって知らねぇぞ。』
『泣いたっていい…先生がいい…』
兄から離れて兄以外を求めて
私を兄から解放して下さい…。
『俺のもんに、なるか?』