第6章 甲斐~躑躅ヶ崎館~
萩「やっと着いたー」
萩はあの後小母様に事情を説明した
萩「小母様、多分奉公がこの店にちょっかいをかけることはないと思うの
私は秋を助けに今から甲斐へ行ってきます
必ず連れて帰ってくるから安心して待ってて」
小母様「萩・・・ありがとう」
弥彦「姉ちゃんを助けて!」
躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)に着き馬を預け町を歩く
萩は念のために男装をしている女物の着物から袴に着替え
長い黒髪は上の方で一つにまとめて括った
萩「いい町だなぁ」
館に向かい大通りを進んでいると
店主「帰れ」
男「なんだと!」
店主「お前みたいな奴に売る刀はねぇんだよ!」
男「調子に乗りやがって」
男は腰に挿していた刀に手をかける
奉公みたいな奴って何処にでもいるんだなぁ・・・
萩「諦めたら如何ですか、貴方見苦しいですよ?」
萩は店主と男の間に割り込む
男「邪魔すんじゃねぇ!兄ちゃん怪我したくなけりゃすっこんでな」
萩「言葉を理解していますか?私は『諦めろ』と言いました。
店主は貴方には売らないと言ってるんです」
男「てめぇ!そんなに死にてぇんなら殺して殺るよ」
ガァッという音がなり男は後ろに倒れる
男「な!!」
萩「自分の力量もわからずに喧嘩を仕掛けるのは馬鹿のすることですよ?」
男「お、覚えてやがれ!」
男は慌てた去っていった
店主「いやぁー、兄ちゃん強いなー
お礼に刀一本持ってってくれ」
萩「有りがたくいただきます
所で信玄様の舘はこの先でしょうか?」
店主「真っ直ぐ行けばすぐだ」
刀を受け取り腰に差し館に向かい再び歩き出した
この時屋根の上から萩を見ていた者がいた
?「・・・・・」
?「あっ先生いたー、そろそろですよー」
萩は気づいていなかった
やっと躑躅ヶ崎館の前まできたが
萩「どうしよう、誰もいない・・・
あっ!すいませーん」
門を少し入った所に男がいるのが目に入った
?「・・・・・?」