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恋の乱~私の居場所~

第5章 序章5


秋が出て行って間もなく
奉公が先ほどのチンピラを連れて店にやってきた
小母様が秋を探しに行っている間
仕方なく奉公の相手をしていた

秋と小母様が店に戻ると
奉公が話し始める

奉公「料理に虫が入っていたと申告しただけでこんな仕打ちを受けるとは・・・
この店はどれだけ横暴なんだ?」

そう言うと、奉公は大げさに包帯を巻かれた
チンピラたちを前に突き出す
どうやら先ほどのチンピラたちは
この奉公の手下だったらしい

秋「ちがいます、それは・・・」

奉公「私は領主からこの地を守れと仰せつかっているのだ
奉行という責務をなんとしても全うしなければならない
こんな乱暴な店は・・・
今後一切の商いを停止するのが妥当な処分でござろう」

秋「え・・・・・」

萩「はぁっ!?何ふざけたことを・・・」

奉公「・・・だが今回は特別に、私も部下の仕事をこの糞ガ・・・
坊主が肩代わりするならば不問にしてやるでござる」

秋「弥彦に、何を・・・」

奉公「ある武将のそばで、ただ美味しいものを食べるだけの
簡単なお仕事でござるよ」

そう言って、奉公はニヤリと笑う

毒見役だ・・・・・

秋「そんな危険な仕事、弟にはさせられません!」

奉公「なら、この店を商い停止にするまでだな」

弥彦「姉ちゃん!俺、その仕事やるよ!
それをすれば、うちの店は商いを続けられるんだろ?」

萩「ダメだよ弥彦」

弥彦「犬千代兄ちゃんがいない今、店と母ちゃん、姉ちゃんを
守るのは俺しかいないからな!」

そう言って、弥彦は契り書に血判を押してしまった

小母様「ああ、弥彦・・・」

すべてを悟った小母様は、弥彦を思い泣き崩れた
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