第1章 10年後の現実
その日の夜。
みんなで、ご飯を食べ終わったあとそれぞれお酒を呑んだり、各自自由な時間の時。
スクアーロは、1人ダイニングルームを抜け出してある人に会いに行く。
ーコンコン
扉をノックした。
中から、出てきたのは聖羅。彼女は、扉を開ける度に嫌そうな顔をしてスクアーロを、見上げた。
「またですの…?」
「ああ…」
「中にお入りになって」
とりあえず、スクアーロを、部屋に通す。彼が、聖羅の部屋に入っていく所を、お風呂上がりのすみれが目撃していた。
「アレ?聖羅と、スク?」
余り、気に止めずにダイニングルームに向かったすみれ。
「忙しかったか?」
「大丈夫ですわ。フランお兄様のカエルの帽子を縫っていただけですから」
聖羅の部屋は、全体的にピンクと白をベースとした部屋でフリフリのレース天窓付きのベッドに、大きなクマのぬいぐるみ。彼女は、ベッドに腰掛けて床に座るスクアーロを見つめた。
「俺は、女のことはよく分からない…」
「女じゃないですものね」
「すみれを見ると胸がいっぱいになるんだ…日に日に、アイツは、女らしくなって…10年前も、魅了的だったが…今じゃ、なんだか胸が苦しいんだ…聖羅!俺は、何処か悪いのか??!」
「スクちゃんは、すみれのことが好きなんじゃありませんの?」
「すっ?!ゔぁぁぁぁああい!!!俺には、そんなモン必要ねぇ!!!」
突然、叫び出すスクアーロに、ため息をついた聖羅は、ポケットから1枚の写真を取り、彼に見せた。。。
その写真は、水着写真もちろんビキニだ。黒のレースのビキニで、海で楽しそうに笑っているすみれ。。。
ソレを見たスクアーロは、黙ってその写真をポケットに仕舞う。
「それが、証拠ですわ」
「くっ…み、認める。俺は、アイツがす…好きだ」
「すみれを見ると胸が苦しいのは、きっと胸の中の小人が貴方の心を握り潰そうとしてるんですわ!」
「こ、小人だと?!!ゔぁぁぁぁああい!出てきやがれ!!」
持っていた剣を胸に刺そうとしたスクアーロ。
「やめてくださる?絨毯が、汚れてしまいますわ」
「俺は、どうしたら…」
「まずは、優しくですわ」
「分かった…」
素直なスクアーロであった。。。