第1章 10年後の現実
〜すみれin自室〜
「バカみたい…なにしてるんだろ…私。。。」
キングサイズの高級ベッドに、身を預けてすみれは、首から下げている年季の入ったロケットを出した。
ロケットを開けると、中には当時18歳だった頃のすみれとシャマルの写真が貼られていた。。。
「会いたいよ…バカ」
離れない。て、言ったじゃない…。。。なんで、私の前から消えたのよ…。
ーコンコンっ
「すみれ?」
様子を伺いに来てくれたのは、聖羅だった。彼女とは、10年前から、仲が良く親友と呼べる女性だ。10年前、聖羅は骸の弟子になりフランの妹弟子なのだ。
聖羅は、コチラに近寄りベッドに座り込む。
「忘れてしまえばいいのに…」
「そう、簡単にいかない」
「あんな、ヤブ医者…」
「シャマルの悪口は、言わないで!」
バッ!と、突然起き上がるすみれ。そして、再びうつ伏せに戻る。
「何処が良いのかわたくしには、サッパリですわ!でも、貴女、雲雀さんと婚約したって…」
「恭弥ねぇ…」
足をバタバタし始めるすみれ。
「嫌ですわ!ハッキリなさいな」
わたくしの様に♡と、手を組み夢見る夢子ちゃんの聖羅。
「わたくしは、ベルさま一筋ですもの♡」
「ふぅん…じゃあ、骸は諦めたんだ?あーんなに好きだったクセに、それにフランだってアンタのこと思っ…」
言葉を全部言い終わる前に、ガタガタガッターン!と部屋の扉が開き、中からフランと、ベル、スクアーロ、ルッスーリアが、雪崩のように倒れてきた。
その頃、レヴィは…絨毯の上だ。。。
「聖羅!あんな変態パイナッポーのことが好きなんですか?!趣味悪いですよっ!」
「その前に、お前らノックぐらいしろや」
笑顔で、すみれが呟く。
「ゔぁぁぁぁああい!そんなモン必要ねぇ!!」
「シッシッシッ。泣き顔見に来たのに、もう泣き止んじまったのかよ。つまんね」
「コラ!ベルちゃん!」
「あのくらいの、技に引っかかるなんてヴァリアー1の天才さんも、底が知れてるわね」
「カッチーン。なんなら、また相手するけど?」
「お子様の相手してあげられるほど、私は、暇じゃないのよね」
腕を組み、上から目線で呟くすみれ。
「もう!2人ともやめなさいったら!」