第1章 10年後の現実
「ゔぁぁぁぁああい!!!なんの騒ぎだこりゃあ!!」
「ゴホゴホッ…何にも見えませんわ」
「窓を開けろぉ!!」
任務から帰ってきたスクアーロと、聖羅。スクアーロの、命令にルッスーリアと、フランが窓を開けた。すると、黄色いモクモクは全て、外に消えていき少しずつ周りが見えてきた。
スクアーロたちの目に入ったのは、倒れているベルの上に乗り胸倉を掴みあげて、短刀を突きつけているすみれの姿。。。
「ゔぁぁぁぁああい!何してんだッ!!?」
「すみれ〜?なぜ、ベル様に向かって刃物を突きつけているんですのぉ〜?」
「あらん!ナイスタイミング!」
「聖羅、おかえりなさいですぅー」
「ただいまですわ!あら?フラン兄様?カエルの帽子が…」
「聞いて下さいよぉー。すみれさんが、腕からシュッて毒針出して来て、もうドロドロに…」
再び、ベルとすみれの方に視線をやると…今だに、いがみ合っていた。
「ゔぁぁぁぁああい!!てめぇら、いい加減にしやがれ!!!」
すみれは、短刀を仕舞え!と、命令され軽く舌打ちをしてから、ベルの上から下りて短刀を、背中の鞘に戻した。フンッ。と、ソファーに戻り腰を下ろしては、足を組む。
「アイツ、ぜってぇ殺す」
ヴァリアー1の天才と言われたベルフェゴールが、アッサリと後ろを取られた。あと、1秒でも、遅かったら負けていた。
「うわぁー、なんなんです?このピリピリの空気」
「もう、ベルちゃんがすみれをからかったのよ」
「あ!てめぇ、ルッスーリア!すみれの肩持つのかよ!」
「私は、恋する乙女の見方よ!」
「このオカマが!!」
「なんですって?!」
「もういい!!!ガキの喧嘩か!」
はぁ…。。。と、頭を悩ませるスクアーロ。
「すみれ、お前もいい加減」
ソファーに不機嫌そうに座るすみれに、説教をしようとするが、彼女はスッと立ち上がり、自室に戻ろうとした。そこを、スクアーロが、待て。と腕を掴むが、振り向きざまに見えた彼女の涙に、思わず手を離してしまった。
「すみれ…」
聖羅が、呟く。