第2章 恋が芽生える時
「ンッ!?」
すみれは、苦しい。と、ザクロの厚い胸板をポコポコ叩く。やっと、解放されバランスを崩し床に尻餅をついてしまう。
「貴様ぁぁあっ!俺のおん…」
と、彼の胸倉を掴み上げ全て言い終わる前に、会場の明かりがついた。
「まぁ、今回はこの程度だ。次、会ったときはもっと激しいのしてやるよ」
力が入らないすみれを見つめるザクロ。彼女を守るように、スクアーロは、彼女の前に立った。
その、スクアーロの背中はとても大きくて、なぜか安心したすみれ。
「じゃあな、すみれ」
「待ちやがれ!!貴様は、三枚に下ろさないと俺の気がすまねぇ!!!」
いつも、怒ってばかりのスクアーロだがこの時は、本当に彼女を思ってくれていたのだろう。その気持ちは、ちゃんとすみれには、届いていた。
「武器を取りやがれ!!!」
「めんどくせーよ。バーロー…また今度な」
じゃあな。と、手を振るザクロに、スクアーロは後を追おうとしてくれたが、すみれは、スクアーロの手を掴んだ。
「私なら、大丈夫よ!」
彼女の声は、微かに震えていた。そんな、彼女を守れなかったとスクアーロは、自分を責めた。
すみれの小さな手を握り締め、抱き寄せる。そして、耳元でこう囁くのだ。
「すまねぇ…俺が居ながら…」
こんな、弱気な彼は初めてだ。すみれは、背伸びをしてスクアーロの唇を奪う。
「口直し」
えへへ。と、笑う彼女を抱き寄せ今度は、スクアーロから彼女にキスを落とした。。。