第2章 恋が芽生える時
〜30分後〜
「スクアーロったら、まだ終わらないのかしら!!」
すみれが、怒りたいのも無理はない。
「ねぇー、キミさ俺たちのファミリーに入らないか?」
「キミは、我らのファミリーに!」
「ズルいぞ!俺たちのファミリーが、先に見つけたんだ」
見つけたってなんだ、私は物か。。。と、内心と思いながら、ジンジャーエールを飲んでいた。
そこに。
「おい、俺の前にその女に声を掛けるなんて、命知らずだな、バーロー」
男たちは、彼を見るなり何処かへと行ってしまった。
「助かったわ…ありがとう」
「さっきの酒の礼だ、バーロー」
「でも、助けられたのには変わりないわ!ありがとう」
名前を聞いてもよろしいかしら?と、首を傾げる。微笑む姿が、あまりにも可愛くて、思わず彼は胸を押さえた。そう、小人が降臨したのだ。
「ざ、ザクロだ」
「ザクロね!私は、すみれ。よろしく」
ザクロが、すみれを口説こうとしたその時だ。
「ゔぁぁあいッッッ!!すみれッッッ!!」
「うわ、うるさい奴が帰ってきた」
すみれは、あからさまに嫌そうな表情を浮かばせた。
「大人しく、マカロン食って待ってろって言っただろうがぁぁあっ!」
「ハイハイ!でも、あと少しでもアナタの帰りが遅かったら、ボックス開匣してわよッッッ!」
すみれの怒りに、思わず後ずさるスクアーロ。
その時だ。
辺りは、突然暗くなり中心部分だけ明かりがつき、司会者であるチェルベッロが現れる。
「なんだ?」
「さ、さぁー?」
スクアーロとすみれは、同時に首を傾げる。
「お前ら、知らないでここに、来たのか?このパーティーのメインイベントじゃねえか、バーロー」
「何が起こるの?」
と、ザクロに尋ねるすみれ。
「さぁー、皆さん。」
「メインイベント、キスタイムです」
「はぁ?!!!」
「ゔぁぁああっ?!」
目を見開いて、硬直してしまうスクアーロとすみれ。
「っつーわけだ。」
「きゃあっ!」
ザクロは、すみれの手を引っ張り後頭部を押さえつけられそのままキスをされた。
「なっ?!!!」
目の前で、起こっていることが信じられないスクアーロ。