第2章 恋が芽生える時
レシピを見ると、中身は日本語。
「お前さ、日本語読めんのかよ。」
「あーー…読めま………すょ」
あからさまに、目を逸らすフラン。。。
「おい、目を見て言え!」
「ミーは、ちゃんとレシピ通りに…」
「塩、大さじ1杯」
「いっぱいあげましたよ?」
「1杯?」
「いっぱい」
真顔で見つめ合う、2人。
「醤油、適量」
「気持ち的には、適量ですよ」
「あのくそ女!これじゃ、わかんねぇじゃねぇか!」
レシピをぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱に投げつけた。
「だーかーらーコレでいいんですって」
「そんな、見るからにヤベーもん。喰わせられるかよ」
「じゃあ…これ、責任もって…ベル先輩食べて下さい」
「なんで、俺なんだよ!てめぇで、喰えよ!」
鍋を、突き返すベルにそれを受け付けないフラン。。。
「ベル先輩、食べ物は大切にしなきゃダメじゃないですか」
「お前が言うな!」
「はぁ…仕方ないですね。ミーは、もう一度レッツチャレンジしてくるんで…これ、聖羅のおでこ冷やしてあげてください」
「あん?濡れタオル?」
「はい、よろしくお願いしますよー」
それを渡すと、フランはお鍋を持って台所に向かう。再び、2人きり。。。
「ッチ。めんどくせぇな」
ベルは、濡れタオルを聖羅のおでこに乗せてやる。
「っん…」
目を覚ます聖羅。
「お、目覚ました。感謝しろよ…俺がココまで看病してやったんだからな」
聖羅は、無言でベルを見つめる。
「なんだよ」
「…犬…」
どうやら、寝惚けているようだ。
「大丈夫か?」
顔を近付けた瞬間だ。
聖羅は、ベルの頬に手を伸ばしてそのままキスを落とした。。。
「んっ!?」
そのまま、彼女は再び眠りにつく。。。
ベルは、驚きを隠せずとりあえず聖羅から離れる。
「コイツ、今俺に…キスした?!/////」