• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第4章 恋の試練場


「わかりました。では、こういうのは如何でしょう。
其方の端切れ一度お預かり致します。
幾つか出来ましたらお持ちしますので、こちらの店先でお売り下さい。
誰かのために作る方が、私も心を込められます」

愛の申し出に、店主は驚き、
『宜しいのですか?それでは、是非その品物にお代を…』

店主の言葉を遮るように、
「いいえ、それは結構です。その代わり…
また、こちらに反物を見に来させてもらってもよろしいですか?
日々、時間があるので、そうさせて貰えれば私も嬉しいのですが…」

と、訊く。

「あと、姫君はやめて下さい。遅くなりましたが、愛と申します。
名前で呼んで下さい。」

『そうですか?では愛様、是非お暇なときはお寄り下さい。
買っていただかなくて結構ですから。私も、貴方のような眼をお持ちの方と
お話できるのはとても励みになります』

そういうと、反物と端切れを丁寧に包み、
三成に手渡す。

『愛様、良かったですね。
お連れした甲斐がありました』

と、三成が微笑む。

2人は丁寧にお礼を言い、店を出る。

「なんか、逆に悪いことしちゃったかな。店主さんとってもいい人だった!
三成くん、今日は本当にありがとう。羽織楽しみにしててね」

そう言うと、満面の笑みで三成を見上げる。

(愛様は、やっぱり笑顔が一番ですね)
『愛様にこの様な才があるとは存じ上げませんでした。
店主も喜んでいらっしゃいましたし、良かったと思いますよ!
さぁ、もうすっかり暗くなってしまいました。お城へ帰りましょう』

そう言うと、荷物を持っていない方の手を、またそっと愛に差し伸べる。

「荷物持ってくれてありがとう」
と微笑むと、愛はその手を握り、晴れ晴れとした顔で歩き出した。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp