第25章 合わせ鏡(三成)
「私も…一緒にいてくれないと困ります…」
パチっと開いた愛の視線が
三成の一番近くで交差する。
「…っ!愛様…お、起きて…」
慌てる三成を愛は布団の中でギュッと抱きしめる。
「ありがとう…私も…私だって三成くんに似合ってるかって
いつも不安になるよ…だけどあの日…
たった一人、あなただけを愛していくって決めたから」
抱きしめた腕を緩めて、三成を見つめる。
「私は三成くんのために生きてる。
その事…忘れないでいて?それが私の幸せだから」
そう言うと照れたようにはにかんだ。
「愛さま…」
三成は自分が抱きしめられたよりも強く
その腕の中にいる愛を抱きしめた。
「私は貴女と出会う前は、
自分のために生きてはいなかった。
こんなに貪欲なまでに自分の幸せのために生きている事が
考えられないんです…」
「ふふ…三成くんの幸せが私の幸せだからね」
三成の胸の中で嬉しそうに笑う。
「それは私の想いです…
だから…もう少し今…幸せになりませんか…?」
「え?ちょ…ちょっと…三成くん…っんっ…」
「私をこんなに貪欲にしたのは愛さまですから…
責任とって下さいね」
もう…絶対次はカタチなんてなくなる…
それでもいい。
私はこの人と…
この先もずっと、合わせ鏡のように生きていくんだから…
第25章 終