第25章 合わせ鏡(三成)
「私はあなたの幸せな顔が見られることが一番の幸せなのです。
だから、愛様が楽しんでくれて、笑ってくださると、この上なく幸せになれるのです。
すみません… 愛様、私はいつだって、自分の幸せのために貪欲なのです。
貴女が思うような、優しさや自己犠牲なんて微塵もないのかもしれない」
「そんな…そんな事ない!
私の幸せを願ってくれてる事が、
何よりも三成くんの優しさじゃない…」
ぎゅぅ…
愛は思わず三成の手を握った。
「愛さま…」
三成はにっこりと微笑むと、その手を力強く握り返した。
「さぁ…冷えて来ましたね。
もう、用意もできたでしょう…中に入りましょうか」
三成は愛を抱き寄せると障子をあけた。
中はすっかり寝間の準備も整い、
行燈の明かりは少し薄暗くなっていた。
「中はあたたかいですね…
これなら、貴女を全て脱がしても大丈夫そうです」
「なっ…なに言って…」
一気に愛の頬が赤くなる。
「私は貴女に教えてもらったのです。
我儘になって良いと…」
そう言うと、三成は愛を軽々と横抱きにして褥へと向かう。
そしてその身体を優しく下ろすと、優しく口付けた。