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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第25章 合わせ鏡(三成)


三成は湯の中での話を女将に話す。
そして、自分の気持ちも。

「私は… 愛様の隣であればどこでも良いのです」


一通り話を聞いた女将は、くすりと一つ笑った。

『すみません…でも、なんだか愛様が可愛らしくて…』

女将の反応に三成はキョトンとする。

「あなたには、愛様の気持ちがわかるのですか?」

『ええ、もちろん。これでも私も女でございますからね?』

そういうと、女将はクスッとまた笑った。

「私は…どうしたらよろしいのでしょう…」

『簡単な事です。その気持ちをただ伝えればいいのです』

「でも…行きたい場所というのは…」

女将はお茶をゆっくりすすると、三成に向き直る。


『女子というものは、少々ややこしいものなのですよ。
好きな人と綺麗な景色がみたい、好きな人と遠出がしたい…
どこどこが良い場所だと聞けば、そこに好いた相手を誘いたい、
どこどこの何が美味しいと聞けば、愛する人と一緒に食べたい…
そう思うのです』


「それは…日ノ本中どこでも愛様と一緒にいたいと思う私と
何が違うのでしょうか」


三成は真剣に女将に問いかけた。

『いつも一緒にいたい…それは当たり前なんです。
その当たり前の上で、好きな人とこういう事がしてみたい…と
具体的に思い浮かべるのです。その相手は誰でもいいわけではありません。
愛様は他の誰でもない三成様と一緒に過ごしたい場所がたくさんあるのですよ』


「私とだから一緒に過ごしたい場所…」

『そうですよ。じゃあ試しに想像してみてください。
綺麗な紅葉を他の男と見ている愛様を。
他の男と楽しそうにお買い物をしている愛様を』

三成はそう言われて初めて鮮明に想像ができた。
もし、あの髪飾りを信長様が愛に飾っていたら、
もし、綺麗な景色を政宗に無理やり連れて行かれてまでも見ていたら…

「それはっ!いけません!その隣には私であって欲しい」

『ふふ…そういう事ですよ?
愛様だって三成様とだから行きたい場所なんです』


三成は愛の言葉の意味をしっかりと理解する。

『さぁ、早くお部屋にお戻り下さい』

そういうと女将は襖を開けた。
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