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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第24章 麦と真珠(政宗)


「馬鹿だな…」

「ば、馬鹿とは何よ…
そりゃ、さ…馬鹿かもしんないけど…
でも、すぐには慣れないよ…」

頬を少し膨らませて拗ねる愛の頭を
思いのほか優しい手つきの政宗が撫でる。

「慣れるな」

「え…?」

「そんな事に慣れるなって言ってるんだ」

「でも…」

「でもじゃない。俺はそんなの…
お前と離れるのが当たり前になることなんて一生慣れないんだよ」

今度は少し拗ねたような顔を政宗がする。
愛は驚いて少し目を見開いた。

「慣れるなら…ずっと一緒にいる事に慣れろ」

「え…」

愛はすっかり言葉を失くしてしまう。

「ずっと一緒にいるんだろ?
だったら、一人で我慢する事になんか慣れなくていい。
わかったか、寝坊助姫」

そう言うと政宗は呆れたような笑顔で
優しく愛の頬を撫でた。

「そっか…慣れなくて…いいんだ…」

噛みしめるように繰り返す。

「そうだ。それに、お前が寂しい思いをしていると思ったら
戦なんかさっさと片付けてやるって闘志が湧くんだよ」


昨夜の言い合いで濁した政宗の言葉が蘇る。

ーー寄越してたらもっと……ーー


「そっか…」

ホッとしたように息を吐く。

「あ、でも、二人でいる事にも慣れたりしないよ?」

愛が笑顔で語りかける。

「なんでだよ」

「だって、政宗とずっと一緒に居られることは
私にとっては奇跡だもん。だから一生慣れない。
当たり前だなんて思わないで、一生幸せな事だって噛み締めたいから…」

はにかんだ笑顔を見せる。

「お前…」

「きゃっ…」

再び横抱きに抱えられ、褥に降ろされる。

「昼!昼だよっ!」

「お前が悪い。責任とれ!」

「許してー!」

「許さねぇ!
但し…優しくはしてやるよ。
慣れないくらい噛み締めておけよ…」







第24章 終

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