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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第24章 麦と真珠(政宗)


湯浴みを終えて、別室に連れていかれた愛は
女中たちに取り囲まれて化粧を施されていた。

『一番綺麗なお姿で宴に行きましょう!』

政宗の帰還で女中たちも沸き立っていた。
あれよあれよと、まるでお姫様のような着物を着せられて、
髪を結われ、化粧をされる。

「普段通りでいいんですって…」

そんな愛の言葉は全く受け入れられなかった。

(みんなも嬉しいんだな…)

主人の帰宅を心待ちにんしていたのは自分だけではない。
そのことが、愛の心を幸せに満たしていた。

(こんなに愛される政宗が嬉しい…)

『さぁ、できました!籠も参りましたよ』

女中たちが満足そうに愛を眺める。

「か、籠ですか?!すぐそこなんですから…」

『何仰ってるんですか!こんな姫様を歩いて向かわせるなんて!』

女中たちに押されながら玄関へと向かう。
そこへ、今しがた到着した日吉が現れた。

『愛さま!』

すっかりおめかしをした愛に驚きながらも、
日吉は深々と頭を下げた。

『無事、政宗様をお守りできました』

「おかえりなさい、日吉くん。怪我…ないよね?」

どんなに着飾っても、いつも通り自分より相手を気遣う愛に
さらに頭を下げる。

『はい!全員で帰還しております。ありがとうございます。
それに…』

少し照れ臭そうに語尾を弱める。

「どうしたの?」

日吉はしっかりと愛を見据えると

『文のこと…誠ありがとうございました。
辛い時もありましたが…愛様のお心遣いのおかげで
最後まで力を発揮することができました』

そう言うと、少しはにかんだ年相応の笑顔を見せた。

「こなっちゃんも頑張ったよ。あとで褒めてあげてね」

『愛様、行きますよ?早く乗ってください!
また遅刻しちゃいますよ?』

女中たちに追い立てられるように日吉の元を後にする。

(そっか…戦場でもこなっちゃんが力になったんだね)

愛は嬉しそうに笑って御殿を後にした。
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