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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第24章 麦と真珠(政宗)


「城の状況も把握してるのか」

不機嫌さを隠さずに訊く。

『あぁ、特に変わった様子はないと聞いている。
そういえば、この前愛が信長様と遠出をしてたらしいな』

その言葉に更に政宗の顔は歪む。

『なんだ知らなかったのか?
お前たち文をやり取りしてるんじゃ…』

政宗は深いため息をつく。

「俺宛のあいつの手紙は、全部小夏から日吉宛だ」

つまらなそうに言う政宗に

『この二月の間、一回もないのか?』

心配そうに政宗を覗き込む。

その質問には答えずに政宗を立ち上がった。

「文に書くような何かが起きてないなら別にいい…」

そう呟く。



寂しくなったら文をかけ…


そう伝えたはずだ。
愛の事だから、すぐにでも書くと思った。
しかし、今までに一度も愛からの文はない。

(あいつ…何考えてんだ…それとも…)

自分がいない間に気持ちがなくなった?
そんな筈はない…と信じたい。

きっと小夏に文を書くように言ったのは愛だろう。

(どうなってんだよ…)

政宗はこの戦で片時も肌身離さず持っている包みを広げる。

そこには確かに自分だけに注がれた愛が溢れる絵が描かれている。

「くそっ…」

(帰ったらただじゃおかねぇぞ…)

そう思いながらも、 絵をしまう手つきは丁寧だった。

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