第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)
「でも、もう大丈夫だよ。ちゃんと、一番幸せな場所見つけたから…」
そう言うと、力を込めている三成の片方の腕にしがみついた。
「私、やっぱり、ここがいい…。いいかな、三成くん…」
『ここは愛様だけの場所ですよ』
そういうと、天使の笑顔が近づいてくる。
啄むような口づけを、何度も落とされる。
唇だけではなく、瞼にも、頬にも、首筋にも…
「ん…三成くん、くすぐった…ん…」
愛の口が開かれた隙にすかさず舌を滑り込ませる。
「あ…ん……っ」
三成からは想像できない、全身を蕩けさせるような情熱的なキスに、頭の中がボーッとなる。
(三成くん…キス…上手だよ……)
今日二回目の口づけは、今一度音を立てて離れる。
『愛様、さっきも言いましたけど、続きはちゃんと治ってからですよ。」
いつもと違い、いたずらそうに笑う三成はとても艶っぽかった。
「さっきって……あっ!」
愛はなんとなく夢だと思ってた感触を思い出して、
熱い体温以上に頬が熱くなるのを感じた。
『さぁ、まだ夜中ですし、熱もまだありますから、
ゆっくり眠って下さい。朝までずっと一緒に居ますから。』
「三成くん、この体勢じゃ疲れちゃうでしょ…。
一緒に布団入ったら、三成くんも眠れる…よね?」
三成の目が真剣になり、目元は赤らむ。
『余計に眠れなくなりそうですが、、、
その方が愛様が落ち着くならそうしましょう。
その代わり、朝まで私に抱きしめられてて下さいね。』
そう言うと、後ろから抱きしめた体制のまま、
愛と一緒に褥に入る。
「ね、ねぇ…わがまま言っていい?」
『なんですか?聞ける事なら聞きますよ?』
「三成くんの顔見ながら寝たい…」
愛はクルッと向きを変えて、向かい合うように三成の腕におさまった。
『その願いは叶えられません。私の今の顔は愛様に見せるわけにはいきませんから…。』
言い終わる前に、愛の顔をギュッと自分の胸の中へ抱きしめ、
そのまま朝まで愛の温もりを感じていた。