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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第23章 黄水仙(家康)


そうして結局俺は一人でトボトボ歩いている。
全く…救いようのない馬鹿だ。我ながら。

泣かしてしまった挙句、

「ごめん…」

あの子に謝らせてしまった。

なんの「ごめん」だったんだろうな…
着物を優先してたこと?
倒れるように寝てたこと?
それとも……泣いたこと…かな…

帰ろうって言った俺は、あっさり断られた。
「先に帰ってて」

そう言って俯いたままだったから、
なんか…触れちゃいけない気がして…
こうして一人で戻ってきた。

けど…

ふと一生懸命皺を伸ばしていた寝着を思い出す。
あんなに愛の気持ちを込めた着物に袖を通す奴は
日ノ本一幸せだろ……

そんな事を思った。
いや、きっとあの子はどの着物もそうやって仕上げてるはずだ。
じゃあ幸せな奴ばっかだな…


俺の専属だったらいいのに…

そんな気持ちすら湧き上がった。
なのに、俺は連れ戻すことすらできなかった。

『あ……』


俺何やってんだ…
会えたら甘やかし倒すって…
あんなに心に決めてたのに…

結局このざまか…

ため息も出ない。
出てくるのは、自分自信をあざ笑う
乾いた小さな笑い声だけだ。
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