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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第23章 黄水仙(家康)


『こんにちは…』

約束の時間ぴったりに、秀吉さんと可愛らしいお嫁さんがやってきた。
歳は…きっとまだ十代…二十代でもなりたてくらい?
どこかあどけなさの残るはにかんだ笑顔が可愛らしい。

「いらっしゃい!わざわざ取りに来てくれてありがとうございます」

笑顔で出迎えると、秀吉さんの顔が一瞬曇った。

『悪かったな、無理をさせた』

そういうと、私の頭を優しく撫でる。

「ふふ、大丈夫だよ!ちゃんとできあがったし、凄く楽しかった!
さぁ、中へどうぞ」

着物の部屋へ招き入れると、

『わぁ!すごい……』

お嫁さんは駆け寄って感嘆の声をあげた。

『これは……想像以上だな……』

秀吉さんも、驚いたように眺めている。

くすぐったいな…でも嬉しい!

「ねぇ、羽織ってみてもらえる?
直しがあったらこの場でやっちゃうから。」

そう言って私は衣桁から着物を丁寧に外して彼女にかける。

「わ……」

自分で作っておいてなんだけど、これは……
凄く綺麗……もちろん彼女が。

『これは、すごいな……本当のお誂えだ』

その着物を羽織った彼女は、あどけない顔のはずなのに
一気に大人の女性になった。
少し頬を赤らめているのも艶っぽく、
好きな人に嫁ぐということってこう言うことか…って思った。

『凄く着やすいです。もっと重たいものかと思ったけど、
凄く馴染んで動きやすい…何より素敵すぎて、私大丈夫かな…』

そんな不安を持ってるなんて!

「ううん、すっごく似合ってる!私が言うのもなんだけど、
この着物、あなた以外に着て欲しくないよ!」

半ば興奮気味でまくしたててしまう。

『その通りだな。あいつもこれを着たところをみたら
さぞかし驚くだろう。よかったな。幸せになるんだぞ』

なぜか少し秀吉さんが感極まっている。
お嫁に出すお父さんみたい……


クスッ


つい笑ってしまう。

「丈も裄も大丈夫そうだね。
当日に花嫁姿が見られなくて残念。
写真撮って来てって言いたいよ」

着物を掛けながらつい口走る。

『しゃしん…?』

彼女がキョトンとする。
その顔は先程までとは打って変わり、やはり少女らしい表情だった。
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