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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第23章 黄水仙(家康)


三日も軟膏を塗っていたら、腕のかぶれはすっかり良くなった。

「これで君もしばらく御役御免だね」

そう言いながら、軟膏を棚に戻した。

あの日からまた数日が経っている。
なんだか、政宗が言ったことがずっと心に残ってるんだよなぁ……


「そうやって美味いものは美味いって素直に表情に出るお前だから
作り甲斐もあるってもんだ」


もし、家康が素直に気持ちを伝えてくれたらどんなかなぁ…

もう何度も想像してみた事だ。
きっと自分が嬉しくて飛び上がってしまうだろう。
それで、また次も…次も…って。


はぁ…反省しなきゃね。ほんと。

家康はそういうのきっと好きじゃないんだろうな。
あんまり人にあれこれされるの、鬱陶しいかもだし。

いくら天邪鬼さんでも、全部が全部喜んでるって思ってた自分が恥ずかしい。
嬉しいことも、そうじゃないことも、どっちも家康なら隠してそう。

んー…でも、家康のために何かしたいっていつも思ってたから、
しなくなっちゃうと家康と会うことが少なくなっちゃうな…

あれ?
…うそ……それって…

もしかしていつも…私だけが家康に会いたかったのかな…
いやそんなはずは……

打ち消したいのに、自信がない。
だって現に今、何日ちゃんと会ってないんだろう…
御殿で見かけることはあるけど、もちろん挨拶だってしてるけど…

家康は…忙しいから……

私は一生懸命その考えに持っていこうとするけど、
どうしても不安の方が大きくなってしまう。

今、何してるかな…
会いにいったら迷惑かな…

でも…会いに行く用事がない…
きっと何の用もなくいったら、
用がないなら帰れば?って追い返されそうだし…

家康がいいそうなことを沢山想像して、
想像なのにため息が出る。


そうだ、きっかけ作ろう。
新しい寝着とかどうかな。暑いし、寝やすい涼しいのを…

ふと、色々想像してワクワクしてる自分に気づく。

うぅ。また、喜んでくれるかな…って思ってるよ私…
迷惑かなぁ…でも会いたいし……

うん!うじうじするくらいなら、作る!
別に何枚あっても迷惑なんてないよね。
どうせ新調するときもくるんだし?

相変わらず能天気だな…って自分を笑った。
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