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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第23章 黄水仙(家康)


「おい、愛いるか?」

え?
政宗の声?

「いる……」

返事を待たずに勢いよく襖が開いた。


「ちょっとー、まだ返事してないのにっ…
あ、三成くんも?二人ともどうしたの?」

さっきまでの落ち込んだ気分も、突然の来客で薄れていく。

『愛様お久しぶりです。お邪魔ではありませんか?』

相変わらずキラキラしたエンジェルスマイル……癒される…

「ううん、全然!暇だったし大丈夫だよ。どうぞ中へ」

二人を迎え入れて、座布団を出す。

「変わった布だな…お前が作ったのか?」

パッチワークの要領で継ぎ合わせた座布団を政宗がみる。

「うん、着物の切れ端で作ったんだ!もったいないから」

そう説明すると三成くんも座布団を優しく触りながらニコニコする。

『さすが愛様ですね!とても素敵です』

「ああ、相変わらず器用だな。好きな事やってるようで何よりだ」

二人が褒めちぎってくれてなんだか照れる。

「へへ……ありがとう。でもこんなのすぐできちゃうから…」

我ながら嬉しさが隠しきれない顔になっているだろう…と思う。

(素直に褒められるのは嬉しいな)


「はい、お茶もどうぞ」

簡単にお茶を淹れて二人に出す。

「ああ悪いな。ほら、これは手土産だ」

そういうと、政宗がお重を広げた。

「わぁ!美味しそうなお団子!ありがとう」

『愛様が美味しそうと言うなら美味しいんでしょうね』

三成くんが不思議な言葉を言いながらニコニコしている。
そこまで食に興味がないのかな?
そんな事を思いながらも、お団子に手を伸ばす。

ぱく…

うわっ、なにこれ〜柔らかくて美味しい〜〜


「ははっ、そんなに美味いか」

政宗が、私が何も言ってないのにズバリ気持ちを当ててくる。

「ま、まだ何にも言ってないのに…」

『愛さまのお顔を見たら、言わなくてもわかりますね。
では、私もいただきます……』

そんなに顔に出てた?
うう…恥ずかしい…


「恥ずかしがらなくていい。
そうやって美味いものは美味いって素直に表情に出るお前だから
作り甲斐もあるってもんだ」

お茶をすすりながら政宗の方が嬉しそうだ。


そうなんだよね…
わかる。
素直に喜んでくれると嬉しいよね…


なんでかわからないけど、私はさっきの家康を思い出していた。
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