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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)


苦い薬の後の水は、口の中で甘味を感じさせるのに十分だ。

コクンコクンと、喉が鳴るのを確認すると、
三成は口を離した。

「三成くん…私を離さないで…」

三成の腕を、愛の手が掴む。

『愛様?どうしました?ずっといますよ大丈夫です。」

「三成くん…」

閉じられた目からは涙が溢れる。
それを間近で眺めていた三成は、自然に愛に口づけをする。

(愛様…甘いです…)

うわ言のように自分を呼ぶ愛しい人。
この腕の中に納めてしまえば、今までの憤りが嘘のように無くなっていた。

(こんなに自然な事だったんですね)

触れるだけの口づけから、だんだん深くなる。


逃げる愛の舌を絡めて、口の中の全てを味わう。



「んふ…んっ…」



愛から無意識に吐息が漏れる。


(こんな時に口付けるのを、お許し下さいね、愛様…)



静かな部屋には、吐息の音だけが響く。

ピチュ…音を立てて、2人の唇が離れると、

『愛様、早く良くなって下さいね。
それまで、待ってますから…。」

そう言って、汗ばむ頬を撫で、汗で張り付いた髪を綺麗にかき上げる。
頭を撫でてあげると、気持ちよさそうに寝息を立てた。


(これ以上したら自分が暴走してしまいそうですから…)


三成は、愛を腕の中に抱いたまま、掛け布団だけを肩までかけ直し、
眠る愛を見下ろして、味わった事のない幸せな気持ちを感じていた。





愛の部屋の襖の外では、家康に報告を受けた秀吉がいた。
家康から、三成が居るのを聞いていたので、ひとまず音を立てずに様子を伺っていた。

中からは、可愛い妹は、熱にうなされ、可愛い弟の名前を呼び続けている。
そして、その弟が甲斐甲斐しく口移しで薬を飲ませている様子が…

(もう大丈夫か…)
安心した反面、チクリと胸の奥が痛んだ。


本当は中に入って病状を確かめたかったが

(流石にここで登場する兄貴は野暮ってもんだな…)

そう自分に言い聞かせて、来た道を戻る。
途中、家康にも会ったので、薬も飲んだ事を伝え、
行くなら明日にしてやれ…と世話を焼いて。
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