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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)


『家康様、ありがとうございます。
愛様を助けていただいて…』

襖に手をかけていた家康に三成が言う。

「まだ治ってないよ。あとはあんた次第でしょ。じゃぁ。」

そう言って出て行く。

「みつなり…くん…」

『愛様、起きれますか?薬飲みましょう。
早く治りますから…』

「ん…飲ませて…」

そう呟いた愛の、握っている手の力が弱まった。

『わかりました。ちょっとだけ身体起こしますよ』

そう言うと、熱い愛の上半身を少し起こすように後ろから抱きかかえた。
力が抜けているので最初は難しかったが、しっかり腕を絡めて起こせば、
すっぽりと三成の中に愛の上半身はおさまった。

『薬、何回かに分けますからね、口を開けて下さい』

そう言うが、うなされている愛には上手く声が届かない。
(こんなに熱が出て…私が最初に気づいてあげられなくて申し訳ありませんでした…)

額に乗せていた手ぬぐいを、喉元に移すと、冷えた感覚でか
愛が眉を顰めて、唸った。

(こんなに苦しんでる姿も美しいと思ってしまう私は、
不謹慎ですね…愛様…)

うわ言のように、愛は未だ三成を呼んでいる。
三成は、家康の置いていった薬と水を自分の口に含み、
自分の腕の中で名前を呼び終え、少し空いた唇の隙間から
口移しで流し込む。

愛は口の中に急に注がれた苦味に顔をしかめる。

『愛様、もう一回だけ我慢して下さい』
そう言うが、無意識の中で首を嫌々と振る愛。

『もう一回だけ頑張ったら、ご褒美ありますから、頑張って下さい』
そう励ますと、愛は首を小さく縦に振る。

それを見た三成は、残りの薬と水を自分の口に含み、
うっすら開いた愛の唇に重ねる。

小さく、愛の喉がコクンと鳴り、飲み込まれたのがわかる。

『愛様、頑張りましたね』

そう言うと、愛の目が薄っすら開いた。

「三成…くん?」

愛が目を開けると、ボヤけた視界の先に見えたのは
大好きな天使のような笑顔だった。

(夢かな…)

『ご褒美です』

そう言うと、三成はただの水だけを含み口づけをする。







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