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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第22章 立待月に焦がれて(政宗)


その後、続々と武将の面々が顔を出し、
愛は丁寧に全員に謝罪をした。

『別に…あんたが山賊にでも襲われて
怪我されてめんどくさいのはどうせ俺だからね。どこも怪我してないなら別にいい』

まっ先に山に入り捜索していた
家康なりの心配だとすぐにわかる。


『愛様が上杉の者に攫われたのではないかと…
でもこうして無事に戻られたのなら良かったです』

部屋に入ってきた時の顔とは打って変わって、エンジェルスマイルを見せる三成。


『俺としては、攫われて貰った方が、相手の行動をより把握できるいい機会だったんだが』

そう言いながらニヤリと不敵な笑いを見せる光秀だが、
きっと一緒になって探してくれてたんだろうと、濡れた着物の裾を見て愛は思った。


『政宗はまだなのか?』

秀吉が怪訝そうな顔で呟くと、側にいた女中が隠れてクスっと笑った。


「みなさん、本当にすみませんでした…。
また改めてお礼をさせていただきますので、どうぞ今日はもうお帰りください。
遅くなってしまって本当にごめんなさい」


愛が再び頭を下げると、皆それぞれ帰路についた。


部屋には愛と女中だけが残る。

「政宗…遅いですね…大丈夫かな…」

心配そうに愛が言えば、女中は笑顔で答える。

『大丈夫ですよ、すぐにお戻りになられますから。
それでは、私も失礼させていただきますね。
すぐに夕餉のご用意致しますから』

「え?もう遅いから悪いですよ…ごめんなさい。
気にしないで下さいね?」

そういう愛に、黙って頭を下げて女中も部屋を後にした。


一人になった愛は改めて、政宗が持ち歩いていたという包みをそっと手にとった。


「政宗…早く帰ってきて…。
早く会いたいよ…」


そう呟いた時だった。


「おう。待たせて悪かったな」

その声とともに襖が開く。

「政宗!」

会いたかった人が急に現れ、あわてて持っていたお重を落としそうになり
慌てて受け止め机に置く。

「政宗…っ!…ごめんなさい…」

そう言いながら駆け寄って政宗を強く抱きしめた。
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