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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第22章 立待月に焦がれて(政宗)


『さぁ、着いたよ、ここからは一緒に行けない。
君はあの門をくぐればいいだけだ』


佐助と幸村に守られながら、雨の中御殿の前まで辿り着く。


「うん、ありがとう。
ごめんね、二人ともびしょ濡れにしちゃって…」


申し訳なさそうに愛が言う。


『それは君も同じだ。
ほら、早く帰ってすぐに着替えるように』

『もう俺たちに迷惑かけんなよ?
たく…なんで敵軍の女のために…』

文句を言う幸村に

『そう言う幸も、自分の羽織を被せてあげるなんて優しい…』

『う、うるせぇ、風邪でも引かせて恨まれてもめんどくせぇからな』

そう言いながら目をそらす。

『ほら、早く行って。みんな心配してる』

「うん…本当にありがとう」

愛はそう言って二人の元を離れる。

「佐助くん」

背を向けようとした佐助を呼び止める。

『どうした?』

「私…後悔してないから。これから先も後悔しない」

きっぱりと言い切る愛に佐助は顔を緩める。

『わかってる。君が後悔する選択をしない事は
俺が一番わかってる。お幸せに。愛さん』

そう言うと、二人は暗闇に紛れて行った。



「よし…」

御殿の門をくぐる。
玄関の戸を開けようとして、一瞬躊躇した。
先程までの政宗の様子が思い出される。

(ううん…大丈夫…きっと、なんか理由があるはず)

そう言い聞かせて、愛は呼吸を整え
玄関の扉を開けた。



ガラガラ…


「戻りました…」
小さく呟くように中へ入ると、御殿の女中たちが大きな声をあげる。


『愛さま!!
愛さまがお戻りになられましたよ!!』


『心配したんですよ…早くこちらにおあがりください。
まぁ…こんなにずぶ濡れで…』

『愛様、湯殿をご用意しております、すぐに温まって下さい!』

あれよあれよと湯殿まで連れて行かれる。


「あ、あの…政宗は…」


『政宗さまは今頃必死に愛様をお探しです。
でも、もし帰られたら、すぐに身体を温めるようにと申しつけられてますので
まずはこちらへ!』


(本当に探してくれてるんだ…みんなごめんなさい…)
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